職場から家に帰ろうとしたとき、おしりに異変を感じました。その原因はイボ痔でも切れ痔でもなく、財布の不在。そう、いつもポケットに入っている財布がなかったんです。
お昼休み。僕は職場の近くにあるコンビニへ行き、おにぎりとホットドックを買いました。このときを最後に、僕の財布は謎の失踪を遂げたのです。
なにが悲しいって、一番はやはり現金を失ったことです。財布にはまちがいなく1万7千円は入っていました(とんでもなく高級なおにぎりとホットドックになってしまった)。
それから、財布そのものにも愛着はありました。元カノに貰ったものだったので、愛着というよりは未練という表現のほうがしっくりくるのかもしれませんが。
さらには、免許証をはじめとするカード類を紛失したダメージもデカいです。再発行は面倒ですし、利用停止の電話をかけるのも面倒です。
そもそもなんのカードを持っていたのか、思い出す作業からもうすでにアホみたいに面倒です。
一縷の望みにかけて交番をたずねてみましたが、届いていませんでした。誰かが拾って、僕の1万7千円であんなことやこんなことを楽しんでいるんだろうと思うと、腹が立ちます。
この怒り、そして悲しみは、どうやったら癒えますか。
<埼玉県・革製だけど財布さん・34歳>
あなたが手にしたもの
1万7千円を失ったそうですが、代わりにとんでもないものを手にしています。なんだと思いますか。
それは「鼻の下が伸びるワクワクな毎日」です。
こう考えてみてください。
- あなたの財布を拾ったのは、絶世の美女(Fカップ)。
- 免許証で住所を知り、自宅まで届けようとしてくれている。
- あなたの財布を拾ったのは、絶世の美女(Fカップ)。
ワクワクしてきませんか。家に帰って、郵便ポストを確認して、「そっかそっか。不在届なんてあるわけないか。エヘヘ」ってなる気がしませんか。
お風呂に入っている間もずっと、「いま来ちゃったらどうしよう! はやく上がらないと。あ、でも、対面するんだったら丹念に洗って、全身からせっけんの香りがほとばしってたほうがいいかもな。イヒヒ」ってならざるを得ないと思いませんか。そう、ならざるを得ないんです。
こんなトキメキエブリデイは、5日~7日ほど持続します。仮に絶世の美女(Fカップ)が現れなかったとしてもいいじゃないですか。ワクワクした日々を過ごしたのは紛れもない事実なのですから。そんな毎日を1万7千円で買ったと思いましょう。
安心して欲しい。あなたは変態ではない
もしも財布を落としていないにも関わらず、上記のようなことを考えて生きている男がいるとしたら。これはもう、純度100%の変態です。
いいですか。財布を落としていないクセに、「Fカップ美女ピンポーン」を期待しているとするならば、どうしようもないド変態男です。もう一度いいます。純度100%の変態です。
「Fカップ美女ピンポーン」を待ち焦がれていいのは、財布を落とした人間だけです。そう、あなたのようにね。
あなたが上記のような妄想を繰り広げたところで、変態の「へ」の字にも触れません。かすりもしません。だって、落としながらにして妄想する権利を有するのですから。
だからどうぞ、1万7千円分いやそれ以上に、「Fカップ美女ピンポーン」にワクワクしてください。ときめいてください。狭いアパートの中を走り回ってください。
だけど、家の中であまりにはしゃぎ過ぎてしまうのもマズい。
あなたの住まいが賃貸だった場合「M字ハゲおやじ壁ドンドン」を喰らう可能性があります。「Fカップ美女ピンポーン」と「M字ハゲおやじ壁ドンドン」は雲泥の差です。「Fカップ美女ピンポーン」は夢の世界ですが、「M字ハゲおやじ壁ドンドン」は現実です。ご注意を。