この記事が参考になる人
- 映画デートを予定している人
- 交際前のデートで失敗したくない人
交際前のデートは「付き合うかどうか」が決まる重要なものです。失敗は許されません。ところが、地雷は思わぬ場所に潜んでいます。
たとえばそう、こんなふうに映画のなかにも。
【失敗事由】ラブシーンは気まずい
彼は大学2年生。人文学部で異文化コミュニケーションを専攻している。
おなじ学部の女子学生(N子)とは、講義を通じて知り合った。
顔を合わせれば会話をする仲になり、それから連絡先を交換し、デートにこぎつけた。
彼は映画デートを提案し、N子は快諾した。
選んだ映画は『寄生獣完結編』である。ふたりとも前編を鑑賞済みという、この上なく好都合な状況だった。
さっそく彼はWebでチケット予約を済ませ、当日を待った。
映画を観ているあいだは会話をする必要がない。観終われば共通の話題を手に入れている。映画デートは鉄板……のはずだった。
ラブシーンは突然に
タイトルからも推測できるように『寄生獣』はラブストーリーではない。ホラーおよびSFに該当する。
ジャンルから考えても、前編の雰囲気からしても、ラブシーンとは縁がなさそうな映画である。が、結果的にはあった。それもまぁまぁ長めのやつが。
「はやく終われ!このシーンはやく終われ!」
彼の頭のなかにはそれしかなかった。
そして映画は終了。
計画どおりレストランに入ったものの、彼はなにを話すべきなのかがわからなかった。映画の感想を言いたいのに、ラブシーンばかりが頭に浮かんでくる。
「ラブシーンすごかったね……」
共感が大事である、と恋愛指南本に書いてあった。だから彼はこの発言をしてみた。
そしてデートならびに恋は終了した。
失敗に学ぶ:ラブシーンのない映画
交際前の二人にとってラブシーンは気まずい。いや、交際後であっても気まずい。
大迫力のスクリーンと臨場感あふれるサウンドで見せつけられるラブシーンは、そう、かなり気まずい。
だから映画デートをするのであれば、ラブシーンがなさそうな作品を選ぶこと。これに勝る優先事項はない。
避けるべきは恋愛映画
そう考えた場合、もっともデンジャラスなのが恋愛映画である。
なぜなら、かならず男女が登場し、イイカンジになることが約束されているからだ。
「食事のシーンってこっちまで食べたくなっちゃうから嫌なんだよね」というダイエット中の人間が、グルメ番組を観るくらい危険だ。むしろまっさきに避けるのがグルメ番組だろう。
映画にもそのままおなじことが言える。恋愛映画はダメ、ぜったい。
意外と危ないアクション映画
アクション映画も油断ならない。
危機に瀕している主人公からはアドレナリンがほとばしる。結果、本能的になる。
だから、「これから敵のアジトに侵入するぜ 」という状況になって、ヒロインとの熱いキスが始まったりする。それでも興奮がおさまらなければラブシーンに突入だ。
キスをしている画角にベッドが写りこんでいたら諦めたほうがいい。経験上、回避したためしがない。
しかもアクション映画のラブシーンはやたらアグレッシブだ。
したがって候補からはずすべきである。
行き着く先はディズニー映画
私が研究した結果、もっとも安全なのはディズニー映画という結論に達している。
ピクサーでもイルミネーションでもいい。要はちっさいモンスターがメインの映画だ。
ぜったいにラブシーンはないから安心して観れる。
がしかし、対象年齢から大幅にずれているゆえ、提案した際に「え?ガキかよ」って思われる可能性がある。
だからといって、上記のような選考理由を説明したら気まずくなるだけ。「ラブシーンラブシーンって変態かよ」って。
おぉ……ラブシーンを避けるだけでこんなにも苦労するとは。
【結論】公園でピクニックすべし