ジェットコースターの一番怖い座席位置を知っていますか?
それは"一番後ろ"です。つまり最後列。
その理由は「前が見にくいから」ではありません。一番速いからなんです。
「どういうこと?」と思った方はこの記事を読んでみてください。図を用いて丁寧に説明していきます。
ジェットコースターは最後列が最恐
遊園地でこんな女子を見たことがあります。
「後ろだー!良かったー!前は絶対ムリ!」
どうやら彼女は絶叫マシンが苦手なようで、ジェットコースターの後方に座れたことを喜んでいたようです。心底安心したという表情をしていましたね。
そこが最恐のポジションであるとも知らずに……。
重い荷物を引っ張る前方車両
下図の髪が赤い人物に注目してください。
(お風呂みたいに見えている人は錯覚です)
赤髪の人物は最前列に座っていて、落ちはじめているところです。もっともスリリングな瞬間ですね。
さて、ここで注目してほしいのが、後続の2車両です。まだ落下しはじめていませんよね?
つまりいま、落ちはじめている先頭車両が後ろの車両を引っ張っている状況です。
※ジェットコースターにエンジンはついていません。落下エネルギーを速さに変えて進んでいます。
つまり、緑色のハートで示した地点を通過する瞬間に、先頭車両はまだトップスピードに達していません。
なぜなら後ろの車両たちがブレーキの役割を果たしているからです。
※ソリでイメージしてみると分かりやすいかもしれません。スキー場で、後ろのソリを引き連れてゲレンデを滑ろうとしているとき。自分だけ坂を下りはじめても後ろが重たいので、すぐにはトップスピードに達しませんよね。
高速で落ちる後方車両
では続いて後方車両を見てみます。青髪の人物に注目してください。
(まだお風呂に見える人は相当疲れが溜まっています)
先ほどとおなじ緑のハート地点に、青髪の乗った車両があります。
ですが、さっきと違うのは「最後尾なので引っ張るものがなにもない」ということ。さらにいえば、「落下している前の車両に高速で引っ張られている」ということです。
だから、最前列よりも断然速いスピードで落下している、と。こういうことになります。
すべての車両(お荷物)を引っ張りながら落下する先頭。
すべての車両に引っ張られながら落下する後方。
どちらが速いかは一目瞭然ですね。
緑のハートを通過する際、後方車両のほうが圧倒的にスピードが出てます。だから怖いんです。
※2つのソリに引っ張られて坂を下るところをイメージしてみましょう。最初からものすごいスピードで坂に突入しますよね。それとおなじことがジェットコースターでも起こっているんです。
加速してようやくスピードに乗り出したころ、先頭車両はもう坂の終盤にさしかかっています。でも後方車両は……。
落下スピードが段違い。最前列と最後列では「ホントにおなじジェットコースター?」と言いたくなるほど別物。
じゅうぶん加速して落ちる後方のほうが断然スリリング!(内臓の浮遊感もハンパない!)
苦手な人はどこに座るべきか
ここまでは「なぜ後方のほうが怖いのか」について書いてきました。
ここからは、「ジェットコースターが苦手な人はどこに座れたら幸運か」について書いていきます。
最前列のメリット
答えはもう明らかになっているように、前方車両です。
前方であればあるほど怖さはなくなります(落ちるスピードが遅いため)。
前方にはさらにいくつかのメリットがありますので、あわせて紹介します。
景色がよく見える
前に人がいないので景色がよく見えます。
苦手な人は「楽しむ余裕なんてないよ!」と言いたい気分かもしれませんが。
ツバが飛んでこない
ジェットコースターに乗っていると、前のお客の唾液が飛んでくることがあります(これにはべつの意味で大絶叫しちゃいます)。
自分が先頭ならそんな災難とは無縁ですね。つまり前方は安全なのです。
そのかわり、唾液が飛ばないよう後方への配慮をお願いします。
絶叫系が好きなら後方
絶叫系が好きなら後方一択でしょう。もっともスリルを味わえます。
唾液が飛んでくる可能性も(前方にいる客数がイチバン多いので)高く、そうした意味での絶叫も期待できます。
かつて友人は、前の女性の髪が口に入って叫んでました。
「最悪ーッ!」って。
後列はアクシデント満載ですね。
まとめ:座席位置は運任せ
前方は苦手な人向け、後方がベテラン向け。これがジェットコースターの真実です。
ただし、座席位置を指定するようなことはやめましょう。スタッフに対して「一番後ろがいいです」とお願いしても、まず断られます。
もし許可してもらえたとしても、そのせいで、ほかの誰かが最後列ではなくなってしまう。それがもし絶叫マシン好きな人だったら「なんでだよぉー!順番的に俺じゃんかよぉー!」と絶叫します。
座席の指定はしない。どこに座るかは運任せ。あと、ツバを飛ばさない。
マナーを守ってジェットコースターを楽しみましょう。
「どの座席位置に当たるか?」からジェットコースターのドキドキは始まっている!
以上、ジェットコースターの一番後ろが一番怖い理由でした。
もし「ジェットコースターが苦手だから克服したい」と考えているのなら、残念ですが、それは難しいかもしれません。