この記事は、
「円安・円高ってつまりどういう状態?」
という人にむけて書きました。
元塾講師の私が、円安・円高について小学生にもわかるように解説していきます。
ポイントさえ押さえてしまえば難しくありません。
円安・円高を理解するコツ
世界にはたくさんの通貨が存在します。円、ドル、ユーロ、元などなど。
アメリカ旅行へ出かけるとなったら、円をドルに替える必要があります。
こういったときに出てくるのが「1ドル120円」とかっていう話。
ずーっと1ドル120円で変わらなければ理解しやすいんですが、相場はつねに変動しつづけています。
だから、昨日まで1ドル120円だったのに今日は1ドル100円、なんていう事態がおこってしまう。
1ドル120円が1ドル100円になるのは円安?それとも円高?
さて、これは円安になったのでしょうか?
それとも円高になったのでしょうか?
勘で答えても50%の確率で当たります。だから「マジメに勉強しなくていいや」なんて考える生徒もけっこういるんです。「適当に答えても当たるでしょ」と。
でもそれじゃカッコ悪い。
アタマで考えてビシッと答えを出したいですよね。
そのためには、17歳のアメリカ人ジョンになりきる必要があります。
ジョンになりきってみよう
ジョンはテキサス州に住む17歳の少年です。好物は脂肪たっぷりのハンバーガー。
そんなジョンになりきってもらいます。
ジョンは世界中のハンバーガーを味わい尽くすため、日本へ行こうと計画しています(という設定でお願いします)。
「ジョンから見たら?」と考えるのがコツ
両替所にやってきたジョン。液晶画面には「1ドル100円」と表示されています。
昨日までは「1ドル120円」だったのに、今日は「1ドル100円」です。
ジョンは日本に行きたいので、ドルを円に交換する必要があります。
昨日なら1ドル出せば120円もらえたのに、今日はおなじ1ドル紙幣でも100円しかもらえません。
仮にジョンが600円欲しいとした場合、1ドル=120円のときなら5ドルで済みましたが、1ドル=100円のいまは6ドル出さなきゃいけません。
つまり、"600円分の日本円"を買うのだと考えると、値上がりしたことになります(5ドルから6ドルへ)。
さぁ考えてください。ジョンならどう思いますか?
この状況でどんな感想を持ちますか?
「円……たかっ!」って思いますよね。ジョンは。
そしてこの変動は"円高"が正解でした。「円……たかっ!」で円高ですね。
ポイントはアメリカ人になりきることです。ジョンが嫌だったらボブでもスチュワートでもケビンでも構いません。
とにかくアメリカ人の視点で考えること。これが円高・円安の攻略法です。
(ジョン日本語でツッコむの?とか細かいことは気にしない)
100円が120円になったら?
「おぉ……なんかわかったような気がする」という感じでしょうか。
では、つづけてもうひとつのケースを考えてみましょう。
実際に頭を使うことで、「わかった気がする」は「理解した!」になります。
先ほどは1ドル120円が100円に変動しました。
では、逆ならどうでしょう?
つまり、1ドル100円から120円になった場合です。
これもまたジョンになりきって考えてみましょう。
両替所に入ったジョン。1ドル100円のつもりでいたのに、画面には120円と表示されています。
「え?1ドルで120円もゲットできるの?円めっちゃ安くない?!だって5ドルで600円でしょ!昨日までは5ドルあっても500円にしかならかなったから……ホラ、円めっちゃ安くなってない?これなら円をたくさんゲットできるぞ!」
そんな気分になることでしょう。
よって、この状況は円安です。円安が進んだと表現できます。
たくさん買えるということは安いということです。
これはスーパーで売ってるお菓子もいっしょですね。高いお菓子はあんまり買えないけど、安いお菓子ならたくさん買えちゃう。
円もおなじことです。円安なら1ドルでたくさんの日本円をゲットできますし、円高なら少ししかゲットできない。シンプルな理屈です。
円安・円高はこれでバッチリ。とてもカンタンですね。
円安・円高のまとめ
円安・円高はジョンになりきって考えましょう。
円が高い安いっていうのは、円を求めている人の感覚、つまりドルを持ってる人(ジョン)の感じ方なのです。
そのため、すでに円を持ってる私たち日本人が日本人の視点で考えても、わかりっこありません。
「円が高いってなに?円って売ってなくない?」ってなっちゃいます。
ここにこんがらがってしまう原因があるかと思います(日本人は円に交換する必要がないから)。
でもじつはちがう。じつは外国人の視点から見た「高い・安い」なんだ、と。
この理屈を一瞬で脳に呼びもどせるのがジョンです。心のなかにリトルジョンを召喚すれば完璧です。
ぜひニュースで「円は1ドル107円から109円に推移しています」なんて流れてきたら、今後はジョンになりきって考えてみてください。
「1ドルで107円だと思って両替に行ったら109円だったから、そんなときジョンの気持ちは……円……やすっ!だ」という具合に(円がいっぱい手に入るということは安いということ)。
ジョンを憑依させるべし!でも、ハンバーガーの食べ過ぎはダメ!そこはジョンになりきっちゃダメ!
塾講師の方は、ぜひ生徒に教えるときにぜひ使ってみてください。
ジョンを熱演すればするほど盛り上がります。大声で「円……(ためてためて)……たかァッ!」って。
ちなみに、この為替変動を利用して儲ける投資がFXです。
塾に「将来はFXで一発当ててそのお金で投資家になりたい」と豪語する生徒がいたなぁ(その後どうなったんだろうか)。
FX初心者におすすめの本について、当サイトにはこんな記事があります。