ドライソケットについてわかりやすく解説していきます。
親知らずの抜歯を控えている人はかならず読んでおきましょう。
なぜなら、ドライソケットになると地獄を見るからです(予防法も書きました)。
ドライソケットってなに?
ドライソケットとは、抜歯後の穴が塞がらず、顎の骨がむき出しになってしまう状態のことをいいます。
とくに下の親知らずを抜歯した後になりやすいとされています。
抜歯後には血餅ができる
こうやって歯が生えていますよね。
このうち1本を抜歯するとします。
歯を抜くと、歯茎にポッカリと穴があきます。
この穴はどうなると思いますか?
歯茎にポッカリあいた穴には、血液が溜まって固まります。
ちなみに、この血のかたまりを血餅(けっぺい)と呼びます。
ゼリー状で、文字どおり餅(もち)のようにドロッとしているのが特徴です。
血餅が穴を塞いで、その上を伸びてきた皮膚が覆う。このようにして傷口を修復するわけですね。
ところが、血餅ができず、穴があいたままになってしまうことがあります。
その状態がドライソケット(直訳で乾いたくぼみ)です。
血餅ができないと、顎の骨がむき出しになってしまいます。
この骨は通常であれば空気に触れることはありません。
そのため空気に触れると細菌感染を起こす危険性があり、もし感染してしまった場合には、激痛が起こります。
ドライソケットになってしまったら、歯医者でふたたび傷をつけて出血させ、血餅を作る処置を行います。
以上がドライソケットについての解説です。激痛に襲われるとなれば、ぜったいに避けたいですよね。
ここからはもっとも重要な「じゃあどうすれば予防できるの?」という点についてご説明していきます。
ドライソケットの原因
ドライソケットができてしまう原因はさまざまです。
うがいのしすぎ
抜歯後にうがいをしすぎると、血餅ができにくくなります。
固まろうとしている血を水で流してしまうので、当然といえば当然ですね。
出血があって口のなかが気持ち悪くても、抜歯後のうがいは控えてください。
溜まった血をペッと吐き出すだけにしておきましょう。
抜歯した部分に触れる
抜歯後の状態が気になったとしても、傷口に触れるのはオススメしません。
指はもちろん、舌の先で触れるのもダメです。歯ブラシも当てないように注意します。
なぜなら、せっかくできた血餅が剥がれてしまうかもしれないからです(細菌が入ってしまう可能性もあります)。
一度剥がれてしまった血餅はもう元には戻りません。
新しい血餅ができるまでには時間がかかりますし、そのまま血餅ができないこともあります。
こうしてドライソケットができ、激痛に悶えることになってしまうのです。
どうか好奇心を抑えてください。どんなに傷口が気になったとしても、です。
傷口に硬い食べ物をあててしまわないためにもぜひ読んでみてください。
激しい運動・長風呂・飲酒
抜歯後の激しい運動や長風呂、飲酒もNGです。血流がよくなると止血が難しくなるからです。
出血が止まらないと、うがいをしたり、唾を飲みこんだりしがちです。
こうした行為によって血餅が剥がれてしまう恐れがあるんです。
(飲みこむときには口内に圧力がかかるので、血餅が取れてしまうことも)
いくらなんでも、抜歯当日に100m走をしたり、バスケをしたりする人はいないでしょう。
ただ、長風呂はついついやってしまう危険性があります。晩酌を習慣にしている人もいるでしょう。じゅうぶんご注意ください。
くれぐれも「酒で痛みを紛らわそう」などとは考えないことですね。
抜歯後の水泳も控えましょう。プールの水が口に入って、細菌感染を起こすかもしれません。
(歯科医に聞いたら「ダメです」と言われ、このような説明を受けました)
喫煙
喫煙をすると血流が悪くなり、血餅ができにくくなります。
つまり、出血量が足りずにドライソケットになってしまうということです。
よってタバコは控えましょう。
運動や長風呂で出血しすぎてもダメ。だけど喫煙で出血量が減るのもダメ。
なんだか難しいですね。
ドライソケットになったら?
もしドライソケットの症状が現れてしまったら、すぐに治療をした歯科医院に連絡をし、処置を受けてください。
細菌の感染を防ぐために、露出している骨を洗浄し、消毒する必要があります。
ムリして出勤や登校をせず、きちんと治療を受けて療養するようにしましょう。
ドライソケットになる可能性も考慮して、仕事の繁忙期ではないタイミングで抜歯を行うといった対策も重要です。
以上、ドライソケットについての解説でした。
下の親知らずを抜歯した後に起こりやすいとされています。該当する人はじゅうぶんお気をつけください。
なお、親知らずを抜く痛みが気になる方は以下の記事をどうぞ。