2シーターでも車中泊ができるのか気になりますよね。
私が愛車コペンで体を張って検証してみましたので、結果をお伝えします。
……残念ながら無理でした。
悪いことはいいません。2シーターで車中泊して宿泊費を浮かせよう、なんて考えはすぐに捨てたほうがいいでしょう。
2シーターのコペンで車中泊してみた
旅行をする場合、出費の大半はホテル代ですよね。
ただ寝るだけなのに6,000円近く払うのが惜しいと感じた私は、車中泊にチャレンジしてみました。
ただ、一般的な車中泊とおおきく異なるのは、車が2シーターだということでした。
2シーターは座席が倒せない
車中泊というと座席を倒して寝るのが主流です。
ところが、2シーターのコペンは座席が倒せないんですよね。
99%の人間はこの現実を受け入れて2シーターでの車中泊を断念します。でも残り1%のとてつもなくケチな人間は、果敢にも戦いを挑むわけです。
そこで、宿泊費としてお金を使う代わりに頭を使ってみました。
助手席なら寝れるかもしれない!
運転席はハンドルがあるぶん狭い。だったら助手席で寝れば良いんじゃないか、と考えました。
さっそく助手席に座ってデモンストレーション開始です。
3秒で不可能という結論に達しました。まるでスーパーコンピューターのような計算速度です。
座った瞬間に「あ、ムリ」でした。
ハンドルがないからといって座席が倒れるわけではありません。
ハンドルの有無は関係なかったのです。
座席を目一杯前に出せば倒せるか?
座席を一番前まで出してみました。
そうすれば背もたれの後ろにスペースができるので、座席を(多少は)傾けることができます。
天才的発想だと思ったんですけどね。無意味でした。
面接を受ける就活生のような姿勢から、映画館で映画を観るおっさんの姿勢に進化しただけです。
私は横になりたいのです。映画館のおっさんレベルのくつろぎ方では物足りません。というか、寝れません。
運転席と助手席を使ってみる
座席を倒すのはあきらめました。大学で経済学を専攻していた私にでさえわかります。物理的にムリです。
そこで、運転席に座ったまま、上半身を助手席側に倒す作戦にチェンジしました。
これで解決だ!と思いました。センターコンソールさえなければ……。
センターコンソールが邪魔だった
軽自動車にしては珍しく、コペンにはセンターコンソールがついています。
なんだか高級車みたいでラッキー!なんて思っていたのですが、車中泊をするときばかりは邪魔で仕方ありませんでした。
センターコンソールが脇腹に当たって痛いのです。とても寝れたものではありません。
取り外すわけにもいきませんし、車中泊は不可能かと思われました。
(ふつうはここで諦めます。でもホテル代節約に燃える私は、こんなところで断念するわけにはいきません)
クッションで解決する
そこで私はクッションを活用することにしました。
使い方は簡単。運転席と助手席の座面にクッションを置いて、センターコンソールとおなじ高さにまで底上げします。
そしてセンターコンソールにパーカーなど厚手の衣類をかければあら素敵、寝床の完成です。
どうにか横になれる環境を整えることができました。
こうしてホテル代を浮かせた私は、意気揚々と湘南へ旅行に出かけるわけですが……(つづく)。
全身がバキバキになる
あれだけ知恵をしぼって工夫を凝らしたにも関わらず、寝心地は最悪でした。
夜中に30回くらい目が覚めるだけでなく、全身の筋肉と骨がバキバキになりました。
体のいたるところが痛くて、とても湘南で生しらす丼を食べるテンションになどなれません。
私は思いましたね。
ホテルに泊まるんだった
と。
車中泊の危険性
車中泊には危険が伴うことをご存知でしたか?
長時間おなじ体勢でいると血流が悪くなり、血栓ができてしまうことがあります。
この血栓が肺などに詰まり、最悪の場合は命を落としてしまうことも……。
こうした症状をエコノミー症候群といいます。ベッドとちがい、車の座席だと寝返りを打てないので危険です。
フルフラットになるミニバンやSUVならともかく、一般的な乗用車であっても、車中泊は避けたほうがいいでしょう。
もちろん、2シーターで車中泊をするなど言語道断です。
2シーターでの車中泊に挑む人々
私やあなた以外にも、世の中には2シーターでの車中泊に挑む変人がいます。
ネットで見つけた彼らの"知恵"をご紹介します。
座席を外す
助手席を外してできたスペースに寝ている人がいました。車はコペンです。
「助手席を外せばイケるんじゃね?」というのはトンデモナイ発想ですが、それを実行してしまうところもまた、最高にクレイジーですね(画像もありました)。
現地で外すのではなく、あらかじめ外した状態で旅行に出かけるんでしょうか。
まぁどっちでもいいんですが(絶対にやらないので)。
トランクに寝る
死体になった気分を味わえることでしょう。トランクは人間の入るところではありません。
これもコペンで実践している人がいましたが、写真を見る限りとても窮屈そうで、雑技団のショーにしか思えませんでした。
トランクが閉まったら大変です。内側から開けられるとも思えませんし。
「誰かー!助けてくれー!」と叫んで救助されたとしますよね。
このシチュエーションだと、あなたは完全に"山に埋められる寸前だった人"です。
「自分で入りました」なんて発言をしようものなら、居合わせた全員がズッコケることでしょう。
車上泊をする
車内ではなく屋根の上に寝るそうです。
お、おう。
テントを張る
2シーターの車のそばにテントを張って寝る、というアイディアもありました。
それはもうキャンプです。車中泊ではなく、キャンプです。
まとめ
2シーターのコペンで車中泊をしてわかったのは、ホテルの偉大さです。
6,000円をケチってはいけません。ホテルに泊まるべきでした。
車中泊をしてお金を節約するのはいいでしょう。
がしかし、疲労が残ります。疲れが残っていると、せっかくの旅行を満足に楽しむことができないんですね。
2シーターで寝てやろうというのは、三輪車で日本一周してやろうという考えとおなじくらい無謀でバカげています。
私はあなたを思いとどまらせるためにこの記事を書きました。どうか2シーターで車中泊だけはやめてください。
あなたの愛車から助手席がなくならないことを願っています。