とあるウェブサイトにこんなことが書いてありました。
要約して紹介します。
「月に10冊以上の本を読んでいる日本人は2%だけ。よって月に10冊以上読めば、それだけで日本人の上位2%に入れる」
一見すると「そうか!よし、本をたくさん読むぞ!」という気にさせられる文章ですが、これには誤りがあります。
「上位2%」という箇所です。
月10冊以上の本を読んでも日本人の上位2%にはなれない
月10冊以上の本を読んでいるのは日本人の2%に過ぎない。これはいいとします。
つまり、10冊以上を読んだ人は2%に入ることができるわけです。
しかし、「上位」という文言はおかしいですよね。
なぜ本を10冊以上読む日本人が上位で、あまり読書をしない日本人が下位なのか。
本を読むヤツはそんなに偉いのか。そんな疑問が浮かんできます。
(読書量において上位2%ではなく、人間として上位2%と読める書き方がされていました。本を読んでライバルを抜きされ、と)
べつに上位ではない
仮に、「毎日ピーナッツを食べている日本人は2%に過ぎない」という調査結果があったとします(実際は知りません)。
このとき、毎日ピーナッツを食べたからといって、「日本人の上位2%に入れた!よっしゃ!」とはふつう思わないでしょう。
ピーナッツを欠かさず食べるのはそんなに偉いのか?という話です。
そして、たぶんそんなに偉くありません。
ピーナッツを食べ続けたところで、ライバルに差をつけるのは難しいかと思います。
冊数はアテにならない
そもそも、読書量を冊数だけで測るのも無理があります。
図書館で絵本を10冊借りてくれば、1ヶ月といわず、1日で10冊読めてしまいます。
絵本でなく、児童書でもいいでしょう。『自動販売機のひみつ』的なやつです。
それらを10冊読んだとしても、とても日本人の上位2%に入れたとは思いません。
そうした本を手当たり次第に読んでいる人よりも、ドストエフスキーの『罪と罰』をじっくり読んでいる人のほうが、「すげぇ」と感じますね。
本を読むことには意味がある
とはいえ、読書を否定するつもりはありません。
スマホでゲームをしたり下らない動画を見たりするよりは、ずっと有意義な過ごし方だと思っています。
人間は脳の前頭葉という部分が発達していて、これが人間を人間たらしめているわけですが、この前頭葉の働きを活発にするのが読書だといわれています。
反対に、ゲームやテレビは前頭葉の働きを抑えます。
ちなみに前頭葉は運動、思考、判断、言語処理などの役割を担っています。
読書をすればほかにも、語彙力、想像力、論理的思考力、知識などたくさんのものを身につけることが可能です。
こうした能力が優れていれば「他人よりも偉い」のかどうかはわかりませんが、読書を通じて、人として成長できることはまちがいないでしょう。
まとめ
「月に10冊以上の本を読めば日本人の上位2%に入れる」という理論に納得できず、この記事を書きました。
記事を書くことで誰かにモヤモヤを伝えたかったので、こうしてあなたに読んでもらえて嬉しいです。
ちなみに、当ブログ「ブドウ糖の浪費」を毎日お読みいただくと、日本人の0.0001%に属することができますよ(誰も読んでいないので)。
正確には上位0.0001%です(センスや感性において)。
どうか継続的な訪問をお待ちしております。
今月はまだ10冊読んでいないなら、こんな本はどうですか?
私が書きました。