この記事では、腰パンをしていないのに「腰パンをやめろ」と先生に注意された同級生(短足)の話を紹介します。
周囲は大笑いしていましたが、おなじく短足である私は、自分にも来るかもしれないと思いヒヤヒヤしていました。
短足のみなさん、「腰パンやめろ」の指摘にご注意ください。
腰パンではなくただの短足
それは体育の授業中に起こりました。
整列した生徒を見渡した先生が、Y君を指差して「こら、腰パンをやめなさい」と注意したのです。
Y君は腰パンなどしていません。シンプルに脚が短いだけです。
Y君は「腰パンじゃありません」といいましたが、先生は「それは腰パンだ」とすぐに反論します。
困ったY君はTシャツの裾をまくり上げ、腰の位置を示し、腰パンではないことを証明しました(どうじに脚が短いことも証明されました)。
先生は「すまん」とバツの悪そうな顔をしていました(ジョークではなく本気で勘違いしていた様子。ジョークだったら許さないが)。
誰かが「短足なだけじゃん」といい、クラスメイトは爆笑していましたが、おなじく短足の私は笑えませんでした。
短足なだけで校則違反
ただ短足なだけで、まるで校則違反をしたかのような扱いを受けたわけです。
しかも、クラス中に「Y君は短足である」という、如何ともしがたい事実が周知徹底されてしまいました。
なんというか、酷い話です。
私はY君と同程度の短足だったので、「自分じゃなくてよかった」とホッとする反面、犠牲になったY君にたいして申し訳ない気持ちになったのを覚えています。
口から飴を出せ
作家の中村文則氏は、頬がぷっくりとしており、小学生時代に先生から「口から飴を出しなさい」と注意されたことがあるとエッセイ『自由思考』に記していました。
身体的特徴を誤解された点において、Y君の腰パン事件に通ずるものがあります。
エラが張っている私の知人も、同様に「口の中のものを出せ」といわれた経験があるそうです。
切ないですよね。芸人でもあるまいし、「エラが張ってんねん!」などと反論することもできません。
地毛が茶色いのに「染めるな」、一重なだけで「なんだその目は」など、他にもたくさんの被害報告があります。
誤解されたほうは悪くありません。誤解する側が悪いのです。
もちろん、腰パン事件も然りです。
どうせ腰パンに見えるなら
あれから時は流れ、Y君も私も大人になりました。
もう体育の授業などなく、誰からも「腰パンやめろ!」などと注意されることはありません。
ですが街中を歩いているときに、ふと「腰パンに見えているのだろうか」と不安に思うことがあります。
まったくそんなつもりはないのに、「あの人腰パンしてるよ。ダサくね?」などと思われていたら、心外です。
それならいっそ、腰パン風スタイルのファッションにしてやろうか、と考えたこともあります。
上半身をストリート系にしておけば、ズボンはふつうに穿いているだけで腰パンに見えるので、完璧です。短所を活かしたコーディネートです。
まだ試したことはありませんし、試す気もありませんが。
まとめ
短足である我々には、つねに「腰パン疑惑」がつきまとうことを伝えたくて、この記事を書きました。
なんとも失礼な話ではあるものの、これが現実です。
取りうる対策としては、英国紳士のようにカッチリとした服装をして「腰パンの可能性」を完全に潰してしまうか、あるいはストリート系ファッションで「むしろ腰パンに見せる」かの2択です。
不本意な誤解を受けぬよう、お互い気をつけましょう。
以上、短足を腰パンとまちがえられた話でした。
なに、落ち込むことはありません。短足にだってメリットがあるのですから。