『サラリーマンだけが知らない好きなことだけで食っていくための29の方法』という本をご紹介します。
著者はプロブロガーの立花岳志氏。
「サラリーマンだけが知らない」という煽るようなタイトルに不信感を抱きつつ読んでみましたが、タイトルだけでなく内容も微妙でした。
どう微妙だったのかを書いていきます。
『サラリーマンだけが知らない好きなことだけで食っていくための29の方法』
まず、本書を読む人はまちがいなく「好きなことだけで食っていきたい」と考えているはずです。
だけど、いまは会社員をしている、と。
そんな状況で「29個も耳寄りな情報がある」なんていわれたら、そりゃ読みたくなってしまいますよね。
ただ、本書の素晴らしいところはタイトルだけです。
「読みたい!」という気分にさせるのはとても上手ですが、肝心の中身がありません。
「サラリーマンだけが知らない」なんて書いてありますが、たぶんこれくらいのことなら、みんな知ってる。
そんな情報のオンパレードでした。
この本を読んだだけで「好きなことで食っていく」ための知識を得るのは不可能です。
ビジネス書を読み漁った著者
著者は38際のときにブログを始め、成功するために年間200冊の(おもに)ビジネス書を読破し、数々のセミナーにも参加したそうです。
だからなのか、終始「どこかで読んだことあるなぁ」といった内容で、目新しいことがなに一つ書かれていません。
さも自分の主張のようなことを書いた後で、すぐに「誰それもこう書いている」などとを引用し、 説得力を持たせようと(?)しています。
が、たぶん順番が逆。
「自分の主張、あの人もこういってる」ではなく「あの人がこういってる、自分も賛成」でしょう。
だから著者オリジナルの考えが少なくて、引用がやたら多い
『だれも知らないこんなに引用しまくる本』ってなもんです。
引用がダメなわけではありませんが、メンターとやらの考えに頼り過ぎている感がありました。
抽象的すぎる
本書には抽象的なことしか書かれていません。
好きなことだけで食っていくための29の方法というタイトルですが、「方法」と呼ぶにはふさわしくないものばかり。
「働く時間を最短にして収益を最大化しろ!」など、漠然としています。
これは方法ではなく指標ですね。
読んでいるとときどき「方法」らしき内容も出てくるのですが……。
書き出した夢を音読しろ?
自分の叶えたい夢をノートに書き出して、それをしょっちゅう音読するといいそうです。
そうすれば脳が勝手に「目標達成モード」になって、思考や体が夢を実現させるべく動き出すんだとか。
こんなにも素敵でファンタジーな方法があるとは知りませんでした。
サラリーマンはおろか、誰も知らない可能性があります。これは大変。
なお、紹介されている29個の方法のうち4〜5個がこうしたスピリチュアルな内容です。
夢を音読をしているヒマがあったら、もっと他にやるべきことがありそうな気もしますが。
まとめ
本を読むときは必ずメモをとるようにしています。
そんな私にとって、これほどメモをとらなかった本はこれまでにありません。
つまり、インクの節約になって感謝しているということです。
パーカーのちょっといいボールペンを愛用しているので、あまりインクが減ってしまっても困りますし。
本書を購入することで「著者が好きなことだけで食っていく支援」をすることはできても、「自分が好きなことだけで食っていく」ことはできないでしょう。
サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法
- 作者: 立花岳志
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2014/03/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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以上、『サラリーマンだけが知らない好きなことだけで食っていくための29の方法』を読んだ感想でした。