20代のみなさん、人生について考えていますか?
この記事では外山滋比古著『20歳からの人生の考え方』を読んだ感想を書いていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
『20歳からの人生の考え方』の感想
タイトルのとおり、本書には「20歳からどう生きていくべきか」について書かれています。
この本が面白いのは、著者が一貫して「頭を使って考えろ」と説いていることです。
時間があればユーチューブで動画を見たり、SNSをチェックしている若者がほとんどですよね。
そんななかで『20歳からの人生の考え方』なんて書物を手に取る若者は、向上心が強く、真面目な性格であるにきまっています。
そうでなければわざわざこんな堅苦しい本を読もうなどとは思いません。
著者もそうした読者を想定しているのでしょう。
「知識ばっかり詰め込んでもダメだ」というメッセージを繰りかえし伝えてくるのです。
知識を集めることに必死?
著者の警告は、この手の本を好んで読む若者にぴったりのものだといえます。
知識を吸収することに貪欲で、つねに学んでいたい。
自分が成長することに喜びを覚える。
もちろんそうした姿勢は素晴らしいことです。
がしかし、せっせと読書に励んでばかりいると「考える」時間を持たなくなってしまいます。これがマズい。
だからこそ、著者は「思考をしなさい」と我々に説きます。
こうした本を好む若者は、得てして知識偏重になりがちなので、「思考をしろ」というアドバイスはとても有益なのではないでしょうか。
歩くウィキペディアみたいになったとして、自分で考える力がなければ、溜めこんだ知識も役に立ちませんからね。
考えるために歩け
著者は、考える習慣を身につけるために散歩を推奨しています。
歩くと血流が良くなって頭が冴えるからか、散歩をしていると考えごとが捗るんですね。
哲学者や作家に「散歩」を日課にしている人が多くいることからも、いかに散歩が思考や創造の助けになるかがよくわかります。
ぜひペンとメモ帳を持って散歩に出かけてみてください。
家にこもって読書ばかりしていては得られない、貴重な気づきがあるかもしれません。
考えるために台所に立つべし
それから著者は台所に立つことも勧めています。
つまり調理をしろ、と。
あなたはふだん料理を作っていますか?
調理にはかなり頭を使うんですよね。
なにを作るか考え、調理の手順を考え、使う調味料を考え、食材の切り方を考え……などなど。
私は料理を作るのが好きでよくキッチンに立ちます。
これが本当に楽しいのです。
調理をすることが頭に良いだけでなく、美味しい料理ができたときには心も満たされます。
女性はもちろん、男性も積極的に台所に立ち、料理を作ってみてください。
手間や時間はかかりますが、それもこれも「思考を鍛えるため」だと思えば、最初は面倒に感じてもだんだん楽しくなってきますので。
まとめ
本書には「思考」以外のことについても、たくさん書かれています。
たとえば人間関係や、人生の苦労についてなど。
そうしたなかでも私は「思考」が重要だと感じたので、ここを重点的にご紹介してきました。
著者曰く「勉強家、博学多識の人は模倣的になりやすい」とのこと。
やはり他人の考えを読んでばかりいて、自分の考えを持たないからでしょう。
このまま勉強ばかりをつづけていたら、やがて知識がパンパンでオリジナリティのない人間になってしまいます。
あなたはそういうものを目指しますか?
20代。これからの人生を考える絶好のタイミングです。一度よく考えてみてください。
本書はそのきっかけ、ヒント、道標を与えてくれますよ。
以上、『20歳からの人生の考え方』を読んだ感想でした。
私はいま26歳。できればもうちょっと早く読んでいたかったのですが……。