この記事では、見城徹著『読書という荒野』を読んだ感想を書いていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
『読書という荒野』の感想
本書の内容は、いちおう「見城徹氏の読書論」ということになっています。
「いちおう」と書いたのは、ほとんどが自慢話だったから。最初から最後までずっと著者の自慢話がつづきます。
本書は見城徹氏の武勇伝をまとめた一冊であり、読書論なのかどうかはよくわかりません。
なんにせよ、『読書という荒野』から『見城徹という男』に改題したほうが良いように思います。
自慢話プラス本のこと
先述のとおり、本書のベースは読書論というよりも自慢話です。
ただ「読書」というテーマだからか、その当時に読んでいた本や影響を受けた本などが紹介されていました。
ときには長々と引用をしたり。
見城徹氏のファンであれば、こうした彼が読んでいた本を知れるのは嬉しいことなのかもしれません。
が、著者のことを「けんじょうとおる」ではなく「みしろてつ」だと思っていた私にとって、著者の嗜好にはなんの興味もないのです。
あなたがけんじょうとおる氏のファンであれば、本書を読むことをおすすめします。
もしあなたが「え、みしろてつじゃないの?」というレベルだとしたら、他の本あるいは昼寝をおすすめします。
正直、ツマラナイ。
ストレートにいえば、本書はつまらなかったです。
この一言に尽きますね。とにかくつまらない。
著者は「自己嫌悪が大事なんだ」ということを再三にわたって述べていましたが、自己よりも先に、本書にたいして嫌悪感を抱くところでした。
見城徹氏の『たった一人の熱狂 』が面白かっただけに、残念です。
どちらかというと本書のほうが『たった一人の熱狂』という感じでしたけどね。
そして『めっちゃ冷めてる読者たち』。
本書から学べたこと
それでも、自慢話の隙間から、どうにかこうにか埋もれた読書論らしきものを発見し、救助することができました。
まず1つめが「読書の量が人生を決める」というもの。
もう1つが「ひとりの人間が経験できることなど高が知れている(だから本を読め)」というもの。
この2つです。
それからこれは直接書かれているわけではありませんが、あくまでも個人的に、「自慢話の量がレビューを決める」ということも学びました。
これが一番大きな収穫だったのかもしれません。
「読書の量が人生を決める」かどうかは判断しかねます。
が、「自慢話の量がレビューを決める」はこの世の真理です。
まとめ
本書を読んでいいのは、おそらく見城徹氏のファンだけでしょう。
読書についてではなく、見城徹氏について書かれた本なので。
そうした意味では『読書という荒野という本を書いた俺』に改題するのも良さそうです。
このほうがずいぶんしっくりきます。
タイトルこそ「読書」となってますが、ほとんど読書のことではありません。
これは、グラビアアイドルの写真集を買ったのにほとんど風景の写真だった!騙された!というパターンとおなじです。
せっかく時間をかけて読んだのに、とくに得られるものがなく残念でした。
私の心には荒野が広がっています。
見城徹著『読書という荒野』を読んだ感想でした。