中村文則初の短編集である『世界の果て』を読んだ感想を書いていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
なお、ネタバレはいっさいありません。
『世界の果て』の感想
『世界の果て』には5つの短編が収録されています。
中村文則の作品はこれまでにいくつか読んだことがありますが、『世界の果て』だけはまったくもって意味不明でした。
短編どれ一つとしてストーリーが理解できず、登場人物の行動はすべてが不可解で、とにかく混沌としていて、おまけに暗い。
読み終えて残ったのは、暗い気持ちと、大きなクエスチョンマークだけ。
2回読んでも理解できないでしょうし、それは3回読んでもおなじです。
初心者にはおすすめしない
中村文則の作品を初めて読む人は、『世界の果て』だけはやめておいたほうがいいでしょう。
短編集というとなんだか読みやすいような気がしますが、本作はちがいます。
たぶん『世界の果て』を読んで中村文則のファンになる人はいません。
『世界の果て』を途中で読むのをやめてしまった知人がいるんですよね。実際に読んでみて、彼の気持ちがよくわかりました。
理解できず、ただただ暗い。そして気持ち悪い。これは、読むのを断念してしまうのも無理はありません。
中村文則の作品を初めて読むのであれば、本作ではなく『銃』や『掏摸』から入るのがおすすめです。
元気なときに読むべし
本人が後書きでも書いているように、どの作品もトーンが暗いのが特徴です。
それもちょっと暗めではなく、とことん暗い。
ですので、もし『世界の果て』を読むとしたら、精神的になるべく元気なときがいいですね。
そうでなければ、どんどん気分が沈んでしまって大変なので。
もしくは、いっそとことん精神的に参っているときに本作を読めば、深いところで共感できるのかもしれません。
面白かったのか?
『世界の果て』は、個人的には面白いと思えませんでした。
読んでいて疲れます。それもかなり。
なぜなら、ほとんど理解できないから。
かろうじてわかったのは、主人公がやたらネガティブであること、やたら煙草を吸うこと、やたら性欲が強いこと。
物語は混沌としていて「なにがいいたいんだろう?」と考えれば考えるほどわからなくなります。
作品を書いている時期に中村文則自身も「混沌とした」精神状態にあったそうなので、他人が理解するのは難しいのかもしれません。
まとめ
『世界の果て』の感想について書いてきました。
本作を一言で表すとしたら「暗くて難解な5つの話」です。
私の読解力に問題があるのか、はたまた誰が読んでもおなじ感想なのかはちょっとわかりませんが。
これほどまでに理解できなかった小説は初めてです。とにかくカオス。
ただ、本作を読んで私は「人里離れたところにあるホテルや旅館」に泊まるのが怖くなりました。
詳細は書きません。
興味がある人は、ぜひ『世界の果て』を読んでみてください。
できるだけ気が滅入っていないときに。
以上、中村文則初の短編集である『世界の果て』を読んだ感想でした。