トークアプリのLINEを使っていますか?
この記事では、浮世満理子著『ビジネス・私生活で相手の心理をつかむ!LINE上手』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『ビジネス・私生活で相手の心理をつかむ!LINE上手』の感想
本書には、LINEで円滑なコミュニケーションをとるための方法が載っています。
まず前半は会話の基本について。
既読スルーされてしまう原因や、会話がつづく質問の仕方などが紹介されていました。
後半はケーススタディです。
実際のトーク画面があり、そこへ著者が様々なアドバイスをしていきます。
こうしたほうがいいとか、この発言はダメとか。
仕事でのやりとり、家族とのやりとり、好きな人とのやりとりなど、かなり具体的に知ることができます。
内容が具体的すぎる
本書のメインはケーススタディです。
たとえば、「上司が部下に注意をしたいとき」に、LINEをどのように使えばいいのかが説明されていたり。
ですが、どれもこれもピンポイント過ぎます。
私には部下がいないので、「部下の注意方法」はいっさい関係ありません。
4ページほどめくると今度は「上司が部下にアドバイスをしたいとき」と出てきました。
部下がいない私には、これも無関係。
さらに4ページほどめくります。
お次は「パワハラ上司を諫めたいとき」です。私の上司はとても優しく、パワハラとは無縁です。
……という具合に、関係ない項目があまりに多過ぎるのです。
本書に載っているすべての事例に該当する人など存在しません。
そもそも、上司が部下に注意って、そんなの直接伝えろよって話です。
本書は違和感だらけ
違和感を覚えたのはそれだけではありません。
本書は「モラハラ上司と接するとき」の説明に10ページも割いているんですね。
そもそもモラハラ上司って、そんなに大量に存在するのでしょうか。
各部署に2人ずつ、みたいな。
著者はそれほど一般的だとは思えないテーマを取り上げて熱心に解説していますが、なんだか的外れな印象を受けます。
あとは、「落ち込んでいる子供への親からの声がけ」とか。
これもLINEで励ますより、直接励ましたほうがいいでしょう。
例として載っている会話の始まりが「ご飯ができたから降りてきなさい」って、こんなのLINEで伝えますか?
リビングが1階にあって、子供部屋は6階にあるのでしょうか。
なんにせよ、ケーススタディにおいて私が該当するシチュエーションは1つもありませんでした。
まとめ
タイトルは『LINE上手』ですが、すべてのやりとりをLINEで済ませるのが良いわけではないでしょう。
これではLINE上手のコミュニケーション下手になってしまいます。
部下を叱る、親が子供を励ます、コーチが子供を指導する、どれ1つとしてLINEを使う必要性を感じません。
くわえて、本書は誰のために書かれた本なのかが不明です。
上司と部下で1冊。親子で1冊。恋人とのやりとりで1冊。
このように分けたほうが読者に親切ですね。
HENSHU下手。KOSEIミス。
LINE上手。YONDEMO無駄。
以上、浮世満理子著『ビジネス・私生活で相手の心理をつかむ!LINE上手』を読んだ感想でした。
本書は家電の説明書に似ています。
「こんなときはどうする」というトラブル対応一覧がある。だけどその状況にならないと読まない、みたいな。