あなたはふと、自殺のイメージが頭によぎったことはありますか?
死の概念に取り憑かれてしまう。
でも、死にたくない。
まさにいま、そんな苦しみや葛藤を抱えているかもしれません。
失恋のせい、借金のせい、あるいは(うつ病であれば)これといった原因がなく気分が沈むこともあります。
この記事では、川崎昌平著『自殺しないための99の方法』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『自殺しないための99の方法』の感想
著者は20代のある時期、毎日のように自殺について考えていたといいます。
が、いっぽうで死にたくないという切実な思いもあった。
そこで著者が考え、死なないために実践した内容をまとめてあるのが本書です。
とにかく読みやすいと感じました。
すべてのページにかわいいイラストが描いてありますし、どの項目も1ページにおさまっています。
読めばきっと、心が軽くなります。
なんといっても、生き延びるための方法が99個も紹介されていますからね。
99種類もあるだなんて、なんだか心強いと思いませんか?
どんな方法なのか
本書で紹介されているのは、おもに日々の過ごし方です。
自分を追い詰めないようにもっと気楽に生きよう。そんなメッセージが込められています。
たとえば、SNSに手を出さない、大切なことを適当にやる、眠くなるまで寝ない、アニメを見る、など。
こうしたアドバイスに著者の解説がついています。
もちろん99種類すべてを実践する必要はありません。
気に入ったもの、できそうなものをいくつか生活に取り入れるだけで、だいぶ気持ちが楽になるのではないでしょうか。
会社や学校になんて行くな
自殺しないための方法として、著者は「学校も会社も休んでいい。なんなら無断欠勤しよう」と書いています。
これはもう、本当にその通り。
もしも学校や会社がツラいなら、休んでいいんです。命よりも大切なものなんてありません。
著者は「休んだことで会社が潰れるとしても休んでいい」と述べていました。
極端というか大げさで、なんだか笑ってしまいます。
が、それくらいの態度でいいんです。会社なんかどうなっても知らん。
生きるために休むんだ、と。
これでなんの問題もありません。
会社の存続なんてどうでもいいんです(あなたが経営者でなければ)。
ましてや学校は、あなたが休んでも潰れたりしません。
ですから、無理をせず休みましょう。あなたの命のほうが2億倍くらい大切です。
99の方法のなかには「家に引きこもろう」というのもありましたよ。
ちょっと変な方法
落ち込んでいる人の気持ちを明るくするためでしょうか。
本書にはユーモアがあります。
たとえば、カラの湯船に服を着たまま入ろう、干し柿を作ろう、靴とスマホを捨てようなど。
なんだそれ、と思わず笑ってしまいました。
著者の解説を読めばきっとどれも納得できます。
まとめ
本書はとにかく素敵です。
優しいんですよね。著者自身が苦しんだとあって、メッセージがどれも優しい。
本書の内容はおもに完璧であろうとするな、無理をするな、急ぐなということ。
この核となるメッセージを、あらゆる表現で伝えているように感じました。
無理をして自分を追い込むことはない。もっと気楽に生きよう。
これこそ、自殺を避けるための本質だと感じます。
なお、世の中には「自殺を防ぐための本」が存在しますが、想定読者はたいてい本人ではなく、周囲の人間なんですね。
家族に向けて、こういうふうにサポートしようとか、こうやって接しようとか、こういう行動は危険なサインだとか。
そうしたなかで本書のように「本人がどうすべきか」を書いた本は珍しいと思います。
とても読みやすい本ですし、読めば心が軽くなります。
もし希死念慮に囚われて苦しんでいるのなら、ぜひ本書を読んでみてください。
あなたは生きているだけで価値があります。
それに、この『ブドウ糖の浪費』の貴重な読者です。私にとっても、あなたは欠かせません。
ぜひ毎日このブログを訪れてください。毎日更新していますので。
最後まで読んでいただいたことに感謝します。
以上、川崎昌平著『自殺しないための99の方法』を読んだ感想でした。
自殺の衝動に駆られたまさにそのときの対処法については、以下の記事も参考になるかもしれません。
もし「死にたい」と感じてしまったら……。