この記事では、桑原晃弥著『図解スティーブ・ジョブズ全仕事』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『図解スティーブ・ジョブズ全仕事』の感想
本書では、ジョブズの仕事術72種類がイラストとともに紹介されています。
が、正直にいって微妙でした。
以下、本書がどう微妙だったのかをご説明します。
すべてに当て嵌め過ぎ
まず、1つのケースをあたかも「いつでもそうしていた」かのように誇張し過ぎています。
出来事が1つしかないのに、帰納法を使って「いつでもそうでした」みたいに書いてあるんですよね。
公園でお金を拾った。あの公園にはいつもお金が落ちている。みたいな。
本種に書かれている内容を鵜呑みにするのは危険です。
図で表すほどじゃない
図解ということで、本書はすべての仕事術を図で説明しています。
が、そもそも図にするほど複雑でも難解でもありません。図がなくても理解できます。
さらに図にはたくさんの文字が書き込まれています。
フォントのサイズも書体もバラバラで、細かい文字が多数あります。
したがって、ものすごく読みにくいんですね。図解なのに、図がまったく理解のサポートになっていないという。
そんな、なんの役にも立たない図が全ページに載っていました
図解はいっさい不要です。
著者の解釈が……?
もっとも厄介なのは、著者のフィルターを通したジョブズの仕事術が書かれていることです。
たとえば、ジョブズは身なりを整えてコンピュータフェアのブースを大金をかけて飾ったというエピソードがあります。
狙いは「見かけを良くして信用を得る」こと。
「見た目が大事なんだ」というアドバイスを受けたジョブズの行動です。
が、著者の結論は「少なくとも気持ちは成功者であれ」というものでした。
……なぜ?
「少なくとも気持ちは」と述べていますが、気持ちだけ成功者になっても意味がありません。
そうではなく、これは「信用を得るには見た目が大事だ」というエピソードだと思うのですが……。
このアドバイスを鵜呑みにし、「よし気持ちだけは成功者になるぞ」と飛行機のファーストクラスに乗り、高級ホテルに宿泊する人が現れないことを願います。
腰を下ろして休むな
著者の超訳はほかにもありました。
ジョブズの「腰を下ろして休むな」という言葉を受け、「休みながら進むのはいいが、腰を下ろすと後退につながりやすい」と著者は述べています。
「休みながら進むのはいいが」は紛れもない超訳です。
ジョブズはそんなこと述べていません。ただ「腰を下ろして休んだらあかん」といっただけ。
ですが、なぜか著者は休憩の許可を出していました。
結局なにがOKでなにがダメなんだかわかりません。休んでいいのかいけないのか。
そもそも著者のいう「休みながら進む」って、どういう状態なのでしょうか。
クレヨンしんちゃんのケツだけ歩きみたいな感じでしょうか。
「休む」と「腰を下ろして休む」の違いはなに?
なんだかよくわかりません。
まとめ
疑問点はまだまだたくさんありますが、ここに書いても仕方がないので、もうやめにして起きます(書いてスッキリしたというのもある)。
「超訳ジョブズの仕事術」あるいは「桑原全仕事」という感じでした。
図はとにかくゴチャゴチャしていて、シンプルをモットーにしていたジョブズについての本とは思えません。
以上、 桑原晃弥著『図解スティーブ・ジョブズ全仕事』を読んだ感想でした。
記事を書いて疲れたので、ケツだけ歩きでリビングへ向かいます。では。