「カップラーメンの完成を待つあいだに本が1冊読める」
そういわれたら、あなたは信じますか?
なんと、「瞬読」ならそれが可能だというんですね。
この記事では、山中恵美子著『1冊3分で読めて、99%忘れない読書術 瞬読』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『1冊3分で読めて、99%忘れない読書術 瞬読』の感想
速読はすでに知っていましたが、瞬読には本書で初めて出会いました。
速読をさらに上回るスピードで読むスキルのことを「瞬読」というんだそうです。
速読が快速列車だとしたら、瞬読は新幹線。そんなイメージですね。
速読を断念した私には関係ないスキルだと思ったのですが、瞬読は「速読がダメだった人でもマスターできる」とのこと。
それならばと、試しに読んでみたのです。
瞬読とはどんなものか
端的にいえば「文章をイメージで捉えて、読んだ内容を書き出す」こと。
これが瞬読なのだとか。
イメージで捉えるとは、「大きいりんご」という文章を見たときに「おおきいりんご」と読むのではなく、即座に大きなりんごをイメージすることを意味します。
文字情報として処理すると左脳が働くいっぽうで、イメージとして処理すると右脳が働きます。
で、右脳のほうが圧倒的に処理スピードが速い。
だからイメージに変換してどんどん脳へ送りこめというわけですね。
読んだ内容を書き出す目的はというと、文章にするために左脳を使うことで、右脳と左脳の連携を強化できるから。
ザックリいえば、これば著者がいう「瞬読」というやつです。
実践可能かどうか
まぁ理屈なんかどうだっていいですよね。
あなたが気になるのは「で、そんなに速く本が読めるの?」という一点に尽きるかと思います。
結論からいえば、読めません。瞬読はできないというのが、個人的な見解です。
厳密には、できないというかやっても意味がない。
というのも、瞬読は「すでに基礎知識のある分野の本にしか使えない」から。
これは著者が認めています。知識のある分野の本しか瞬読はできない、と。
もし未知のジャンルを瞬読したいなら、「まずはふつうに読んで知識をつけましょう」だそうです。
限定的な場面でしか使えない能力ですね。
これではぜんぜん役に立ちません。
心理学を学びたいと思ったら、まずはじっくり学ぶ。で、ようやく瞬読ができるわけですからね。
いってしまえば、既知の情報をただなぞっているだけ。
これでは本を読む意味がありません。ただの復習になってしまい、新たな知識を得ることはないでしょう。
まとめ
「3回観たことのある映画だったら、5倍速で再生してもわかるでしょ」
瞬読はこのレベルです。
そんなことをしてなんの意味があるの?といいたくなります。
だいいち、イメージ化して右脳で処理する方法は速読法にもありますし、瞬読はなんら革新的なスキルではないように感じます。
「瞬読」というネーミングは秀逸ですが。
本書には練習用ドリルがついています。
「アアルラグドビ」みたいな文字があって、これを並び替えて正しい単語にせよ、みたいな。
効果があるんだかないんだかわからないドリルが延々とつづきます(ページ数稼ぎにしか思えないほどに)。
ちなみにこれで脳の変換力を鍛えられるそうです。
「1冊3分で読むなんて不可能でしょ」
と半信半疑で読み始めました。
読み終えて、全疑全疑になりました。
以上、山中恵美子著『1冊3分で読めて、99%忘れない読書術 瞬読』を読んだ感想でした。
99%忘れないというか、もともと知ってる内容だから。
本書を読む際には、瞬読でいいと思います。
速読に関してはこちらの本が本質的でおすすめです。