この記事では風間健著『「心の軸」のつくりかた』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『「心の軸」のつくりかた』の感想
「悩むのは時間の無駄」だと著者はいいます。
そのために確固たる信念をもって生きよう、というのが本書の目指すところですね。
なお、武士道の考え方を多く用いているところが特徴的です。
なんでも、武士道は「生き方のお手本」なのだとか。
時代が違うから当てはめるのは難しい
まず、残念なお知らせがあります。
本書は微妙でした。
「武士がいた時代とは違うから多少の無理がある」というのが率直な感想です。
たとえばこんな感じ。
武士はお金について話すことを賤しいと考えていた。
しかし、現代ではそうもいかない。
こんな流れでお金にたいする著者の持論がはじまります。
ただ、この持論がよくわからないんですね。なにがいいたいんだか意味不明です。
お金がすべてではない。だがお金は大事。
でもお金だけを目的にすると……という具合に右往左往。
そして最終的には「お金や経験よりも志を優先させろ!」と締めくくっています。
現代社会でお金は無視できないと述べていたのに、結論は「志を優先させろ」。
完全にお金を無視しています。
志でメシが食えるのかよ、ってなもんですね。
武士道には学んでいない?
本文中にはしばしば武士の情報が出てきます。
武士はこうだった、ああだった。
しかしながら本書は、武士道に学ぶというよりは、著者の考えがメインです。
タイトルには「武士道に学ぶ」と書いてありますが、厳密には「武士道が好きな著者に学ぶ」という感じでした。
大事なのは行動すること
本書では繰りかえし行動の大切さが強調されています。
行動しなければ現状は変わらないから、クヨクヨ悩まずに行動しよう。
ねぇ、もっと行動しようよ、と(そんなにフレンドリーな口調ではありませんが)。
なお、行動を起こすエネルギーになるのは「なんとしても成し遂げたいこと」です。
意地でも達成したい目標がなければ、行動する気になんてなれませんよね。
つまり、行動を起こすためには「自分がなにをしたいのか」を理解している必要があるということ。
進むべき道がハッキリしていれば、ブレることはないでしょう。これで心の軸も手に入ります。
したがって最も大事なのは「自分が達成したいことを明確にする」ことだといえそうですね。
武士道の言葉でいえば「志」というやつです。
ところで、あなたの志はなんですか?
まとめ
私の高校時代のあだ名は「武士」でした。
一人称が拙者だったわけでも、ちょんまげを結っていたわけでも、刀を携帯していたわけでもありません。
ただマイボトルに白湯を入れていただけです。
白湯が好きで白湯を飲んでいたら、同級生から武士と呼ばれるようになりました。
さて、話を戻します。
本書は「ブレない心」を持つための指南書ですが、そもそもブレない心ってそんなに良いものですか?
ブレる心はダメで、ブレない心が良い。
一概にそうともいえませんよね。
ブレないのは頑固さともいえます。頑固さは自分の幅を狭めます。
「おれは動物園なんて興味ない!」なんて突っぱねていても、いざ動物園へ行ってみると、本物のカバの迫力に大興奮したりするんです。
自ら視野を狭めることはありません。
ぜひマイボトルに白湯を入れて動物園へ行ってみてはいかがでしょうか。
以上、風間健著『「心の軸」のつくりかた』を読んだ感想でした。
お金がすべてではない。だがお金は大事。
でもお金だけを目的にすると……いちばんブレブレなのは著者かもしれません。