SNSでの炎上対策を知るために本書を読んでみました。
が、正直にいってほとんど役に立つ内容ではありませんでした。
この記事では、唐澤貴洋著『100万回の殺害予告を受けた弁護士が教える危機管理 そのツイート炎上します!』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『100万回の殺害予告を受けた弁護士が教える危機管理 そのツイート炎上します!』の感想
まず、タイトルのインパクトがすごいですよね。
100万回なんて数字は、『100万回生きたねこ』以外で聞いたことがありません。
どうやら著者はネット掲示板で誹謗中傷されていた少年を守ために闘ったところ、掲示板利用者たちに殺害予告をされたようです。
著者が極悪人というわけではありません。
内容はほとんどない
肝心の内容についてご紹介します。
私は「SNSでの炎上を防ぐために気を付けるべきこと」が知りたかったのですが、これといって有益な情報は得られませんでした。
まず、本にするほどの内容ではありません。
まるで生ハムのように薄っぺらい情報だけが載っています。
あまりに内容がなく、「これではマズい。1冊の本にするには不十分だ」と感じたのでしょう。
本書には(お笑い芸人スマイリーキクチなどとの)対談が3本収録されていました。
対談が3本です。
感じ方は人それぞれでしょうが、私にはこの対談が「ページ稼ぎ」にしか思えませんでした。
若い女性が政治的発言をすると炎上しやすい?
それからどうも釈然としなかったのが、「若い女性が政治的発言をすると炎上しやすい傾向にある」という記述です。
若い女性がSNSで政治的発言をすると炎上しやすいと著者はいうんですね。
その例として、ローラが辺野古基地について言及した際の事案を取りあげていました。
しかしながら著者は、とくにこれといった対策を示していません。
よってこの記述は「若い女性は政治的発言をしないほうがいい」と解釈できます。
たとえ事実だとしても、解決策がないのなら、本件は紹介すべきではなかったように思います。
読者(とくに若い女性)はただ気分が悪くなるだけですよね。
「そんなの理不尽じゃん!」って。
別のページでも「目立つ女性にたいする反発は大きい」と書かれていました。
うーん。どうなんでしょう。
本書のこうした記述こそ「燃えそう」な気がするのですが。
さすがは100万回の殺害予告を受けた弁護士ですね。
本書は宣伝に近いのかも
なぜ著者は生ハムみたいに内容の薄い本を出版したのか。
それはきっと宣伝のためではないかと、私は睨んでいます。
というのも、著者は掲示板、SNS、ブログでの誹謗中傷やプライバシー侵害への対応を多く行っている弁護士なんですね。
ですから、業界内における自分の地位をいっそう強固なものにするために出版した、と。
箔をつけるというか、宣伝というか、ステータスというか。
「SNSでの誹謗中傷なら私におまかせを!」っていいたいだけ。そんな印象を受けました。
なぜなら内容が薄く、ほとんど危機管理については書かれておらず、かわりに「炎上したら弁護士に相談を」なんて書いてあるので。
まとめ
よくよく考えてみると、100万回もの殺害予告を受けた人のアドバイスに、いったいどれだけの価値があるのでしょう。
「100万回バンパーを擦った私が教えるドライビングテクニック」って、やかましいわって話ですよね。
「100万回フラれた私が教える恋愛術」って、どの面下げてって思いますよね。
隠すべき情報を積極的に開示しているところからして、とてもユーモアセンスあふれる本だと思いました。
必要性のない対談を重ねてしまうあたり、とてもおしゃべりがお好きなんだとも思いました。
もし私の投稿が炎上したときには、著者に相談しようと思います。
以上、唐澤貴洋著『100万回の殺害予告を受けた弁護士が教える危機管理 そのツイート炎上します!』を読んだ感想でした。