「大人はどうして働くのか」
子どもに説明できますか?
「生活するためにお金を稼ぐ必要があるから」
これは事実です。
でも理由がこれだけしかなかったら、子どもはどう感じるでしょう?
この記事では、宮本恵理子著『大人はどうして働くの?』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『大人はどうして働くの?』の要約と感想
まずは本書の要約から。
7人の識者が働く理由について述べている。
前半は子ども向け、後半は大人向けの内容。
なぜ働くのか。お金さえ手に入ればいいのか。
働くことの意味や価値を親子で考える機会を与えてくれる一冊。
以上がおもな内容です。
7人の識者は以下の通りです。
- 天野篤
- 有川浩
- 池上彰
- 坂本フジヱ
- 浜矩子
- 樋口泰行
- 三浦しをん
医師、小説家、ジャーナリストなど、さまざまな分野で活躍する人物が「働くこと」について述べています。
子ども向け・大人向けパートがある
本書は2部に分かれています。
前半は子ども向け、後半は大人向け。
7人の識者たちが、子どもに向けたメッセージと大人に向けたメッセージをそれぞれ書いています。
子どもを対象としている前半パートは、文章が易しく、文字が大きく、すべての漢字にルビが振ってありました。
小学生くらいの子どもでも読めるように配慮されています。
大人向けパートは、おもに保護者を想定して書かれています。
子どもがどんな仕事をするのか、どんな進路に進むのかを一緒に考えよう。
そんな意図が感じられました。
池上彰が考える「働く理由」とは
ジャーナリストである池上氏が、仕事に感じているやりがい。
それはみんなに「へぇー」といってもらうことだそうです。
みんなが知りたいと思っていることを伝えて、驚かせたり納得してもらったりすること。
ここに仕事のやりがいを感じているといいます。
それから、働いて得るお金は「人から喜ばれること」の対価として生まれると考えているそうです。
お金は喜びや感謝の証というわけですね。
時代の変化についていく
ただし、「人から喜ばれること」の中身は時代によって大きく変化するとも述べています。
この言葉を受けて私が思い浮かべたのはユーチューバー(YouTubeで動画を配信し、広告収入を得る仕事)です。
かつては存在しませんでしたが、いまは子どもたちが憧れる職業上位に入ってます。
ユーチューバーは人々を喜ばせることのできる立派な職業です。
その対価としてお金を受け取っています。
時代の変化についていけれないと、「ユーチューバーなんてダメだ」と頭ごなしに子どもの夢を否定することになるわけです。
どうしてお金がもらえるのか。
- 人を喜ばせたから
- 嫌な仕事に8時間耐えたから
保護者であるあなたの認識はどうでしょう?
仕事の捉え方は、お子さんの職業選択にも影響を及ぼすはずです。
まとめ
大人はどうして働くのか。
どれだけの大人が「お金」以外の理由を答えられるでしょう。
一生遊んで暮らせるだけの資産を持っているビル・ゲイツやジェフ・ベゾスは、どうして働くことをやめないのか。
あなたはなぜ働くのか。
子どもにはどんなふうに働いて欲しいのか。
そんなことを考える機会を、本書は与えてくれます。
親子で読んでみませんか?
以上、宮本恵理子著『大人はどうして働くの?』の要約と感想でした。
人を幸せにすることでお金が入ってくる。
これが仕事の本質であるなら、「これからはプログラマーが儲かるらしい」などといった情報に振り回されることはないはずです。
大事なのは「どうすれば人の役に立てるか」を自発的に考えられるアタマなのかもしれません。