人体は細胞が集まってできていますよね。
細胞(つまり自分自身)のことをどれくらい知っていますか?
この記事では、坂井建雄監修『マンガでわかる細胞のはたらき』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『マンガでわかる細胞のはたらき』の要約と感想
まずは本書の要約から。
細胞はどのような仕組みを持ち、どのように働いているのか。
がん細胞とは何か。遺伝子検査にはどんなリスクがあるのか、など。
細胞という観点から人体の仕組みを解明する。
以上がおもな内容です。
タイトルには「マンガでわかる」とありますが、全編がマンガではありません。
図解と文章による説明がメインです。
マンガはおまけ程度でした(必要ない気がする)。
細胞の中にある遺伝子に傷
細胞の中には遺伝子が存在しています。
発がん性物質や紫外線、ストレスなどにより、遺伝子には日常的に傷がついているのだそう。
基本的には自己回復の機能で修復されるものの、まれに細胞の増殖をコントロールする遺伝子に多くの傷がつくことがあるといいます。
すると細胞の増殖が止まらなくなり、無限に増殖する状態になってしまう。
これが、がん細胞のもとになるのだとか。
ストレスが体に悪いとされているのは、遺伝子に傷をつけるリスクを孕んでいることがひとつの要因だったんですね。
部長から理不尽なお叱りを受けたことで、遺伝子にピッと傷がついてしまう……。
「がん細胞になったらどうしてくれるんじゃい」ってなもんです。
遺伝子検査のリスク
遺伝子検査に興味はありますか?
検査キットに唾液を入れて送るだけで、生活習慣病やがんなどの発症リスクを知ることができるサービスです。
女優のアンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査を受け、乳がんになるリスクが高いという判定が出たために乳房を切除したことで話題になりました。
遺伝子検査のリスクとして本書では、「重要な個人情報を企業に渡してしまうリスク」を指摘しています。
遺伝子はトップクラスの個人情報
遺伝子は人間にとってトップクラスの個人情報です。
なぜなら、遺伝子は変えられないから。
体重、収入、交際相手などは変わることがあっても、遺伝子情報だけは変えられないんですね。
遺伝子検査からもわかるように、遺伝子にはその人物の発病リスクといった、重大な個人情報が隠されています。
この遺伝子情報が漏洩してしまったらどうなるでしょう?
本書では、「生命保険や雇用でハンデを受ける可能性」が指摘されています。
可能性の話ですが、リスクがゼロだとはいい切れません。
遺伝子という極めて重要な個人情報を、企業に渡すリスク。
これをどう考えるかという問題です。
(遺伝子検査により発病リスクを知り、精神的ショックを受けるリスクもあります)
まとめ
「マンガ」というフレーズとは裏腹に、本書の内容は専門的なものでした。
- サンギウム細胞
- クロム親和性細胞
- ゴナドトロピン細胞
など、はじめましての細胞たちが容赦なく登場します(すべて覚えるのは不可)。
それだけ読み応えのある本でした。
細胞について深く詳しく知りたい人におすすめです。
マンガは寸劇のようなものがチョコチョコあるだけで、必要性を感じませんでした。
タイトルに「マンガでわかる」と入れ、とっつきやすさを出したかったのだと思う。
細胞や器官、人体について知れる本格的な一冊です。
以上、坂井建雄監修『マンガでわかる細胞のはたらき』の要約と感想でした。
細胞について学ぶのが楽しいのは、自分自身の仕組みを知れるからかもしれません。
「おれ/私ってそうなんだ」みたいな。