AIが台頭し、時代が変わりつつあります。
時代の変化に合わせて「頭がいい」の定義も変わっているのだそうです。
AI時代を生き抜ける頭の良さとは、どんなものだと思いますか?
この記事では、米山公啓著『AI時代に「頭がいい」とはどういうことか』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『AI時代に「頭がいい」とはどういうことか』の要約と感想
まずは本書の感想から。
著者である米山氏は脳神経内科医。
「頭がいい」の定義は社会環境によって大きく変わるとし、AI時代といわれる今後は他人にはない知識、経験、技術が重要になると指摘。
AIが進歩しても必要とされ続ける人になるために、どうやって本物の知性を磨くべきかを伝授する。
以上がおもな内容です。
時代が変わっても「頭のいい人間」であり続けたい人は必読です。
「AIができないこと」とは何か
暗算の達人といえど、電卓の計算スピード・正確さには勝てません。
暗記の天才といえど、スマホのメモ機能には敵いません。
つまり、AI時代において「頭がいい人間」でいるためには、AIにはできない能力が求められるということです。
ではAIについて見てみると、すべての情報を数字に置き換えて、数学的に処理しているだけ。
これが現状だといいます。
数字に置き換えられない物事は、AIで処理できないわけです。
こうした事実を踏まえて著者は、知識、経験、技術が重要になってくると述べています。
「記憶力の良さ」だけでAIに太刀打ちすることはできません。
やりたいことや好きなことをやる
脳科学的に見た頭の良さとは、「神経細胞同士が多く結合している状態」だといいます。
「脳内のネットワークを多く作り上げること」を目指せば良いのだそう。
そのためには、繰りかえし神経細胞を刺激する必要があります。
ところがここが重要で、行為に楽しさや興味を抱いていなければ弱い刺激しか与えられない。
脳を反応させるには、好きなことや興味のあることをするのがベスト、なのだとか。
「好きこそものの上手なれ」という言葉のように、自分がやりたいこと、好きなことで勝負する道こそが、AIに負けない有効な手段なのかもしれません。
ここのところ「好きなことを仕事にしよう」という風潮がありますよね。
脳科学的に見ても、ベターな選択だといえそうです。
「頑張っている」と思っている時点でダメ。脳への強制、なのだそう。「仕事というか遊びですね」という感覚で働けれたら最強。
人生100年時代では「長期戦を戦える脳」が必要
平均寿命が伸び、人生100年時代といわれるようになりました。
そこで重要なのが「長期戦を戦える脳」だといいます。
早い話が、仕事ができるだけではダメだということです。
定年を迎えて、
- なにもやることがない
- なにもやる気が起きない
なんて状況では困ってしまいます。
人生100年時代において、頭の良さを仕事の能力だけで測ってはいけません。
「定年後の生活」を視野に入れると、新しい価値観を作り出して喜びや満足感を得る能力が必要なのだそうです。
未体験の物事にチャレンジしてみたり、好奇心を持って人生を楽しんだり。
こうした能力がなかったら、時間が有り余る退職後の日々は退屈で苦しいものになるでしょう。
AI時代と直接関係しているわけではありませんが、興味深いアドバイスですよね。
まとめ
本書の内容を一言でまとめるとしたら、「好奇心を持て」です。
好奇心を持って好きなことに取り組むからこそ、結果的に「頭がよく」なれます。
好奇心があるからこそ、定年後も「活き活きと」生活できるわけです。
好奇心は人間にのみ与えられたものであり、AIにはありません。
コンピュータが自発的に興味を持つことはないんですね。
(「どうやったら美味しい野菜炒めを作れるんだろう」とは考えない)
自分の脳をAIと差別化し、仕事で活躍し、退職後も人生を楽しむために、好奇心にしたがって生きてみませんか?
以上、米山公啓著『AI時代に「頭がいい」とはどういうことか』の要約と感想でした。
頭がいい脳を「成功する脳」だとするなら、それは「大胆で自分の考えを押し通す勇気があること」なのだとか。賢さの定義はさまざまです。