主役ではなく脇役として生きるだけで、物事がうまくいくのだそう。
この記事では、臼井由紀著『脇役思考のほうがうまくいく』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『脇役思考のほうがうまくいく』の要約と感想
まずは本書の感想から。
トップを狙う主役思考ではなく、他の人を支える脇役思考にシフトするだけで、万事がうまくいくようになる。
多大な努力も、特殊な能力も、緻密な計算も必要ない。
脇役思考という新しい考え方と具体的な実践方法を解説する。
以上がおもな内容です。
なぜ主役思考ではダメなのか?
著者は「主役思考では自分らしい人生を送れない」と述べています。
なぜなら、成果が出なければ挫折感を味わい、うまくいったら引きずり下ろされる不安に苛まれるから。
だから注目されようとせず、目立たない脇役に徹するべき、とのこと。
著者が推奨する脇役思考とは、置かれた環境で、どのような立ち振る舞いが求められているかを見極めて行動することだといいます。
脇役思考になれば、万事がうまくいくのだそうです。
【違和感】人生の主役は自分なのに?
著者の主張には納得できませんでした。
なぜなら、脇役思考というのが、だれから見た「脇役」なのかが不明だからです。
自分にとって、人生の主人公はいつでも「自分」ですよね。
恋人が主人公になることも、部長が主人公になることもありません。
人生の主人公は絶対的に自分であって、他者を主人公に据えることなど不可能です。
が、著者はそれをやれと、無理難題をふっかけてきます。
まるで一休さんになったかのような気分。トンチで解決しろってこと?
「ドラマの脇役」はドラマの世界の話
脇役思考について説明する際、著者は「ドラマの脇役」を例に出していました。
ドラマの脇役は口数が少ない。
ドラマの脇役は目元が優しい。
ドラマの脇役は口調が落ち着いている。
ドラマの脇役は……。
もういいよ、ってなもんです。
ドラマの脇役など知ったことではありません。
ドラマの脇役を引き合いに出して、「みんなから愛されているでしょう?」って。
ドラマはドラマ。
著者がなにをいいたいのか不明です。
ドラマ好きの経営コンサルタントだ、ということだけがはわかりました。
トップを狙ってはいけない理由が弱い
トップを狙う主役思考を否定する根拠として挙げられていたのが、
- 成果が出なかったら挫折感を味わう
- 成功したら引きずり下ろされる不安に苛まれる
という2点です。
主役思考を否定する材料としては弱いといわざるをえません。
水鉄砲とハリセンだけで鬼退治に挑むような、そんな無謀さがあります。
脇役思考として生き、
- トップを狙わなかったこと
- 主体的に生きなかったこと
- 夢に向かってチャレンジしなかったこと
を悔やむリスクだって存在します。
(著者はノータッチでしたが)
だったら自分の人生に責任を持ち、自分で舵を切って生きていきたい。
脇役ではなく、主役として。
そう考えるのが妥当ではないでしょうか。
だれも私やあなたの人生の主役になどなってくれないのですから。
まとめ
脇役思考を提唱する本って、不思議だと思いませんか?
脇役思考を唱えるなら、自身は著者ではなく編集者として携わるべきです。
しかしながら著者は本を出版しています。目立っています。
つまり、この本の存在自体が矛盾しています。
まるで、ウイルス感染によって殺処分となった10万羽の鶏にたいして「かわいそう」といいながら、唐揚げを頬張るようなもの。
説得力に欠けますよね。
著者が脇役思考で生きるのは構いません。
私は承服しかねました。
以上、臼井由紀著『脇役思考のほうがうまくいく』の要約と感想でした。