AIが発達し、働く必要がなくなったとき。
あなたは何をしますか?
与えられた自由を楽しむには、考え抜く力が必要だといいます。
来るべきAI社会に備え、考え抜く力を強化するために、本書にある8つのレッスンに取り組んでみてはいかがでしょう。
この記事では、岡本裕一朗著『哲学の世界へようこそ。答えのない時代を生きるための思考法』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『哲学の世界へようこそ。答えのない時代を生きるための思考法』の要約と感想
まずは本書の要約から。
考え抜く力がなければ、世の中の固定観念や思い込みよって、なんとなく日々を過ごすことになるだろう。
理不尽を甘んじて受け入れることになるだろう。
自由になるためには、頭を使って考えるしかない。
本書は8つのレッスンを通じ、読者の考え抜く力を伸ばすサポートをする。
以上がおもな内容です。
「考える」とはどういうことなのか。本書を読めばわかります。
考えるプロである哲学者が、どのように考えているかが記されているからです。
対象読者は高校生〜大学生であり、平易な文章で書かれています。
もちろん、大人が読んでも問題ありません。
よりよく生きるための8つのレッスン
8つの問題を考えることが本書のメインです。
具体的には、
- コピペ
- 個性
- サイコパス
- 同性愛
- 友達
- AI
- 転売
- 仕事
といったジャンルの異なるテーマについて考えていきます。
本書から得られるものは2つです。
- テーマについて直感で立場を決め、正当化しうる「理屈」を組み立てる方法
- 著者の考え
たとえば、コピペは良いのか悪いのか、あなたはどう考えますか?
本書を読めば、自分の考えを組み立てる方法が学べます。
加えて、著者の考えを知れます。
いずれのテーマにも明確な答えはありません。
こうした「答えのない問題」を考えることを、日本人は苦手としています。
(ただ1つの正解を暗記し、その通りに答える教育をされているため)
周囲から頭ひとつ抜きん出るには、考える力を身につけるのが確実ですね。
哲学ってなんだ?
そもそも、哲学とはなんでしょう?
著者は、「常識が出来上がっていることを前提としつつ、あえて解体しようとする試み」を哲学と呼んでいます。
たとえば、子ども。
「犬はどうしてしゃべらないの?」
と子どもが質問してきたら、さながら哲学者だと感じますよね。
しかし、著者にいわせれば、子どもは哲学者ではありません。
なぜなら子どもは、「犬は人間の言葉をしゃべれない」という常識を持っていないからです。
常識を疑っているわけではないんですね。
大人が「ところで犬はどうしてしゃべらないんだ?」と考えるのは、これは哲学です。
常識をそのまま鵜呑みにせず、解体しようと試みているからです。
こうした理屈により、子どもを「生まれながらの哲学者」と呼ぶのは誤りなのだと、著者は指摘していました。
哲学者は、子ども相手にも手加減しません。
まとめ
「転売禁止」という言葉を耳にしますが、考えてみれば、スーパーやデパートがやっていることも「転売」ですよね。
仕入れて、高い値段で客に売る。
これが転売でなくてなんなんだ、っていう。
考えてみるとおかしなことが、世の中にはたくさんあります。
理不尽なことがまかり通っているんです。
頭を使って考えなければ気づけず、無批判に受け入れるしかありません。
「転売禁止なんておかしいだろ!スーパーはどうなんだ!」
と声を上げるには、頭を使うしかないのです。
AI発達後の未来
AIの発達によって人類が労働から解放されたとき、私たちはありあまる時間を何に使ったら良いのでしょう?
仕事という名の「やるべきこと」が消失したとき、人間は2極化するといいます。
- 自分人化
- 動物化
前者は政治や学芸に携わる。
後者は本能のままに生きる。
あなたはどちらになりたいですか?
食って寝て子孫繁栄ってな原始人生活にならないためには、考え抜く力をつけておくのが良さそうです。
以上、岡本裕一朗著『哲学の世界へようこそ。答えのない時代を生きるための思考法』の要約と感想でした。