本書には、車の燃費を良くする31のコツが載っています。
現在の燃費に満足していますか?
この記事では、宮野滋著『ガソリン節約のための燃費の本』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『ガソリン節約のための燃費の本』の要約と感想
まずは本書の要約から。
著者は燃費ギネス記録を持つ達人。
クルマには一番燃費が良いスウィートスポットという状態がある。
スウィートスポット走法を含む燃費アップのコツを31個解説する。
以上がおもな内容です。
【注意】ケチなわけではない
本書に記載されている「燃費を良くする方法」を実践したからといって、ガソリン代を減らせるわけではありません。
なぜなら、著者が燃費の良さを追求するのは環境のためだから。
ガソリン代を節約するためではなく、石油資源の消費を抑え、地球環境を守るために、著者は燃費アップを目指しているんですね。
※宮野氏は医師です。お金に不自由しているわけではなさそう。
たとえば著者は、エンジンオイルをこまめに交換するよう呼びかけています。
が、エンジンオイルの交換頻度を高めれば、そのぶん出費が増えます(オイル代と工賃)。
このように本書は、「トータルの出費を抑える」という方向ではなく「燃費をアップさせる」という方向だけを向いて書かれています。
燃費のためなら支出増加も厭わない姿勢です。
- お金を節約するためではない
- 地球環境を守るため
この前提を理解して読む必要があります。
スウィートスポット走法とは
クルマを時速50〜60キロで走らせている状態でもっともエンジン音が静かなときが、そのクルマにとって一番燃費が良い速度なのだそう。
著者はこの状態を「スウィートスポット」と呼んでいます。
スウィートスポットに達したら、速度を一定に保ちます。
燃費が良い状態で走っているわけなので、当然ながらガソリンの消費を抑えられます。
これがスウィートスポット走法だといいます。
一定のスピードを保つためには前車との車間距離を広くとっておく必要がある、と指摘していました。
車間距離を空けて走っていますか?
燃費アップのためにできること
燃料消費を減らしたいなら、トランクには余計な荷物を積まないほうが良いそうです。
車のトランクを物置のように使ってしまうと、そのぶん車重が重くなり、燃費が悪化してしまうからです。
タイヤの空気圧が下がっている状態も好ましくないといいます。
圧が不足していれば、ガソリンスタンドのスタッフに無料で空気を入れてもらえます。
空気圧は2週間に1度くらいのペースで確認してもらうのが望ましい。
と、ここまではありがちな燃費アップ術ですが、さすがは燃費ギネス記録保持者、一般人とは発想がちがいます。
たとえば「カーナビを使って最適なルートで目的地に向かうべし」というアドバイスがありました。
道に迷ってあちこち彷徨っていたら、ガソリンがムダになってしまうからです。
斬新かつ本質的な助言です。
意表を突かれたのが、自転車活用のススメ。
そんなのありかよ、ってなもんです。
地球環境のために石油資源の消費を減らそうと思ったら、ここにまで考えが及ぶらしい。
さすが医師。
セコい燃費アップ術とは一線を画しています。
まとめ
本書は「燃費アップ」だけに特化しています。
そのために他の出費が増える(たとえエコタイヤを買う)としても構わない、というスタンスです。
だから迷いがなく、内容がストレート。
燃費にも家計にも気を遣っていたら、「エンジンオイルはこまめに替えよう」などというアドバイスは書けません。
燃費向上だけに振り切っていて良いと思います。
「地球を守ろう」という著者の考えに賛同する人は、すべて実践するのが良いでしょう。
「お金を節約しよう」という動機であれば、出費が増えそうもない方法だけを実践すればOKです。
自分のためにガソリンを節約するのか、みんなのためにガソリンを節約するのか。
できれば医師である著者のように、エゴを溶かし、慈愛の心をもって燃費アップに励みたいものです。
以上、宮野滋著『ガソリン節約のための燃費の本』の要約と感想でした。
本書を買ってガソリン代を節約できれば、いずれ本の代金は回収できます。