働き方や生き方に悩んでいませんか?
現状を変えるヒントは、歴史のなかにあるかもしれません。
この記事では、本郷貴裕著『歴史が教えてくれる働き方・生き方』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『歴史が教えてくれる働き方・生き方』の要約と感想
まずは本書の要約から。
偉人たちの思考や行動は、現代に生きる私たちの道しるべになる。
限られた人生のなかで、どのように考え、なにを選び、どうやって行動したら良いのか。
坂本龍馬、杉田玄白、ガリレオ・ガリレイ、ピカソなど。
さまざまな偉人たちの生き方を通して、現代社会にも通用する真理を学ぶ。
以上がおもな内容です。
著者のアドバイスは玉石混交
偉人たちのエピソードを紹介し、そこから導き出される真理を示す。
これが本書のスタイルです。
国内外の偉人たちが何を考え、どう行動したのかを知れる点は良いと思います。
名前だけ知っている人物について詳しく知れたり。『ターヘル・アナトミア』の翻訳作業は杉田玄白ではなく、前野良沢がひとりで行っていたことを知れたり。
ですが、結論が弱いものがいくつかあるんですね。
たとえば「期日や期限は必ず守ろう」とか。
歴史上の出来事を紹介して、最終的に示される結論がコレです。
「期日や期限は必ず守ろう」って小学校じゃあるまいし。
著者が紹介したいエピソードありき?
教訓を伝えるために歴史を引用しているのではなく、その逆なのでしょう。
著者が広めたい「歴史上のエピソード」があって、そこからいえることは何だろうかと考える。
ゆえにエピソードが壮大で素晴らしいにもかかわらず、結論がショボいものがいくつかありました。
歴史を学べる点は興味深い。
でも著者のアドバイスは玉石混交、ってなもんです。
太宰治の『走れメロス』を紹介されて「友達は大事にしよう」なんていわれたら拍子抜けですよね。そんなイメージ。
坂本龍馬はなにが凄い?
ところで、坂本龍馬はなにをした人物か、答えられますか?
彼は幕末に「薩長同盟」を結ぶ立役者となったことで知られています。
薩摩藩と長州藩に同盟を結ばせたわけですね。
とはいえ、これだけの情報では彼の凄さがイマイチわかりません。
弁が立つ交渉の達人なのか?
そんな坂本龍馬の凄さについて、著者は「行動力」を指摘していました。
というのも、坂本龍馬は自らがいた土佐藩を脱藩してまで、同盟を実現させようとしていたからです。
藩を無視して勝手に行動を起こせば「死罪」となるリスクがあります。
リスクを承知で、死ぬ覚悟をしてまで、日本の将来のため薩長同盟に尽力した、と。
行動する天才であれ
ここから著者は「行動する天才は考えるだけの天才を凌駕する」という教訓を見出し、提示しています。
行動は大事ですよね。
会社から独立したい、株式投資を始めてみたいと考えていも、考えているだけでは意味がありません。
現実は1ミリも変わりません。
行動してこそ意味があります。
「期日や期限は必ず守ろう」という小学生のクラス目標みたいな薄っぺらいメッセージだけではない、ということをお伝えしたく、このエピソードを紹介しました。
名誉挽回、汚名返上、完了。
まとめ
「歴史を学びたくなる」
というのが率直な感想です。
著者も歴史上の面白いエピソードを紹介したかったんでしょう。
とはいえ歴史本は売れないので、自己啓発の要素をパラパラ振りかけてビジネス書コーナーへお引越し。
教訓はおまけのようなもの。
実質的には「歴史上の面白い話を知れる本」です。
著者が唸って唸って捻り出して絞り出した教訓や普遍性をナシにすれば、本書は歴史を(広く浅く)知れる点で興味深い一冊です。
ガリレオ・ガリレイが『天文対話』に施した、読みやすくするための工夫。
日露戦争でロシアのバルチック艦隊が一向に現れないときのエピソードなど。
「へぇそうだったんだ」ってな情報が載っています。
中学社会の知識に肉付けしたい方に本書はおすすめです。
以上、本郷貴裕著『歴史が教えてくれる働き方・生き方』の要約と感想でした。
結論。中学校で習った歴史の知識をパワーアップさせられる本。働き方や生き方にとことん悩んでいるなら、他を探すべし。
生き方に悩んでいる方には、こちらの本がおすすめです。