私たちが感じている、時間。
この時間がじつは存在しないといわれたら、信じられますか?
この記事では、カルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『時間は存在しない』の要約と感想
まずは本書の要約から。
時間はいつでもどこでもおなじように経過するわけではない。
過去から未来へと流れるわけでもない。
それにも関わらず、なぜ私たちは時間が存在するように感じるのだろうか。
哲学や脳科学の知見を援用し、論じる。
以上がおもな内容です。
一言でいえば「難解」
本書は難解でした。
物理学の知識を有していなければ、理解するのは難しいでしょう。
たとえば本書には、「高地よりも低地のほうが時間がゆっくり流れている」とあります。
なぜなら、物体は時間を減速させるから。
地球は巨大な質量を持つ物体であるから、そのまわりの時間の速度は遅くなる。
山よりも平地のほうが減速の割合が大きいのは、平地のほうが地球(の質量の中心)に近いため。
ここまでは大丈夫ですか?
物体が落下する理由
問題なのは、次の主張です。
物が落下するのは、時間の減速のせい。
物体が下に落ちるのは、下のほうが地球による時間の減速の度合いが大きいからなのだ、と。
カルロ・ロヴェッリなる天才物理学者はこう述べます。
意味がわかりません。
「物体が落ちるのは重力が存在するからじゃないんですか?」
という疑問が浮かび、解消されないまま宙を漂います。
アリストテレスとニュートンが考えた時間
私たちが持っている「時間」の概念は、 ニュートンによって作られたものだといいます。
事物とは無関係に存在する時間。
この時間の捉え方はニュートンが提唱して広まったものであって、彼が登場する以前は、誰もこのように考えていなかったのだとか。
では時間をどんなふうに捉えていたのか。
アリストテレスは「時間とは変化を計測した数である」という結論に達しています。
事物が変化するから、時間が流れる。
たとえば太陽が昇って沈むという一連の変化など。
事物が変化しなければ、時間は流れない。
なぜなら時間とは、変化を計測したものだから。
アリストテレスの考えた時間と、ニュートンの考えた時間(事物に関係なく経過する時間)。
両者の考えを統合したのが、アインシュタインのもっとも重要な業績なのだそうです。
出た、アインシュタイン。
意見の食い違う2人の天才を見た3人目の大天才が、その場をおさめる、みたいな。
「アインシュタインすげぇ」ということだけはわかります。
他はわかりません。難解です。
まとめ
本書は全三部からなっています。
本記事でご紹介したのは、第一部の内容です。
なぜ第二部と第三部に触れていないのかいうと、第一部で挫折したからです。
第一部を読み終えたところで「こりゃ無理だな」と感じ、ページを閉じました。
したがって、本書のキモである「時間が存在しない」という主張にまでたどり着けていません。
ほんとうに時間が存在しないのか。
なぜ時間が存在しないといえるのか。
それは、わかりません(読んでいないから)。
本書は、著者の出身地であるイタリアで18万部発行されています。
これほど難解な書物がヒットするだなんて、イタリア人天才かよ、って思いました。
女子アナウンサーや女性アイドルの写真集がバカ売れしている日本とは大違い。
以上、カルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』の要約と感想でした。
結論。物理学の基礎知識なくして本書に挑むのは無謀。たとえるなら海パン一丁でスズメバチの巣を駆除するくらい無謀。憤死は不可避。