「運転が上手い」というのは、速く走れることではないといいます。
一般道を時速80キロで爆走したら、それはただのスピード違反です。
そうではなく車の運転において大事なのは、事故を起こさず、巻き込まれず、スムーズに楽しいドライブを行うこと。
そのために「どんなことに注意して運転すべきか」を説いているのが本書です。
この記事では、徳大寺有恒著『決定版 徳大寺有恒のクルマ運転術』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『決定版 徳大寺有恒のクルマ運転術』の要約と感想
まずは本書の要約から。
ドライビングテクニックよりも重要なのが、コミュニケーション能力。
それから、想像力である。
コミュニケーション能力と想像力が足りていなければ、上手に運転することはできない。
運転中に考えるべきポイントをはじめ、運転姿勢、ステアリング保持の仕方、高速道路の走行など、クルマの運転術を幅広く解説している。
以上がおもな内容です。
この手の本にしては写真やイラストが少なく、文章量が多い印象を受けます。
とっつきやすさはありませんが、書かれているアドバイスは確かです。
初心者だけでなく、すべてのドライバーにおすすめの一冊です。
中堅やベテランドライバーが本書を読めば、ガラパゴス的な進化を遂げている独自の運転術を見直すきっかけになる。
運転で大事なのはコミュニケーション能力
著者は、「運転において重要なのはコミュニケーション能力である」と述べています。
なぜなら、乱暴者も無神経な人も道路に出ているから。
道路にはあらゆるドライバーが混在しています。
あなたのように気配り上手なドライバーだけではありません。
乱暴なおっさん。無神経なオバさん。クレイジーな兄ちゃん。スローモーションなおじいちゃんなど、多種多様です。
だからこそ、相手の存在を認識し、その思案を察し、こちらの存在や意図を相手に伝えること。
これが事故を防ぎ、スムーズに運転するために欠かせないのだそうです。
具体的には、夕方になったら早めにライトを点灯する。
余裕をもってウインカーを出す、など。
いずれも重要に違いありません。
ほかのドライバーの反射神経や集中力を過信するのは危険です。
後ろからドーンと追突され、衝撃でむちうちにならないためにも心がけたい。
ステアリング操作の仕方
運転の基本であるステアリング操作については、「両手で保持するのが大前提」とのこと。
片手でステアリングの上を握る方法は推奨できないといいます。
なぜなら、緊急時に満足な操作ができず危険だから。
くわえて著者は「送りハンドル」を勧めていました。
教習所ではNGとされている送りハンドルですが、徳大寺氏はおすすめしています。
というのも、送りハンドルが教習所で禁止されているのは、パワーステアリングがなかった時代の名残りだから。
現代ではパワーアシストがあるため、(回している間も両手が離れない)送りハンドルが安全で良いのだそうです。
教習所で教わった「交差ハンドル」を実践していませんか?
それ、送りハンドルに変えちゃって良いのかもしれません。
まとめ
クルマ運転術の王道、定番と呼べる一冊です。
車の運転が上手くなりたい、事故を起こさず運転するコツを知りたい。
そんな方に本書はおすすめです。
ただし、本書には写真やイラストがほとんど載っていません。
ひたすら文章で説明されています。
ゆえに、ふだん読書をしない方や活字アレルギーの方にはおすすめできません。
ビジュアル面のサポートが優れている運転教本はこちらです。
白黒の文章を読み続けるのが苦痛だという方には上の本がおすすめです。
文章を読むことが苦でなければ、ぜひ徳大寺氏によ解説書を読んでみてください。
初心者であっても、中堅ドライバーであっても、学びが得られるはずです。
以上、徳大寺有恒著『決定版 徳大寺有恒のクルマ運転術』の要約と感想でした。
結論。運転のバイブル。免許を取って1年未満の人も、10年前に取得した人も、読んで損はない。