人とおなじことをしていても旨味はない。
ジリ貧になるだけ。
著者はこのように断言しています。
あなたは生き方に戦略を持っていますか?
この記事では、堀紘一著『人と違うことをやれ!なぜここに頭が働かない!戦略的生き方のすすめ』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『人と違うことをやれ!なぜここに頭が働かない!戦略的生き方のすすめ』の要約と感想
まずは本書の要約から。
不況のなかにあっても大成功している人、稼ぎまくっている人がいる。
その人たちに共通しているのは「逆こそ真なり」の発想をしていること。
つまり、一般の考え方のまったく逆を行くのだ。
くわえて、自分の得意技を磨くべき理由。なぜ会計学を学んでおくべきなのか。
重要なのは「何が問題なのか」を考えることであるなど、これからの時代を生き抜くための戦略を説く。
以上がおもな内容です。
本質的な指摘が書かれていて、読み応えがあります。
成功してお金持ちになりたい。
そんな野望を抱く人に本書はおすすめです。
なぜ「人とおなじ」ではダメなのか?
著者は「人と違うことをやれ」と説きます。
なぜなら、世の中が貢献主義の時代へと変わりつつあるから。
寄らば大樹というサラリーマン思考は過去の遺物で、これからは「寄らば自分」の時代だといいます。
会社という枠組みに縛られない「個」の時代です。
個人の得意技を重視する貢献主義の時代に入っていけばいくほど、実力があるだけではダメで、独自のスタンスが必要になってくるのだそう。
ほかの人間には真似できないスキルを持った者だけが、会社や社会に貢献でき、周りから認められるようになるのだ、と。
ゆえに、「人とおなじことをしていてもジリ貧になるだけ」というわけです。
大事なのは期待感を与えること
これからの時代は、周囲に期待感を与えることが大事だといいます。
「あの人ならどんな見方や考え方でこの局面に取り組むだろうか」といった期待です。
考え方に独創性や創造性があり他人と違った思考ができる人は、周囲から重宝されます。
こういう人間を目指すべきだ、というのが著者の考えです。
だから人とおなじではダメで、独自のスタンスを持たなければならない。
そのためには頭を使って考えること。
目的意識を持ち、発想のトレーニングを積むことが重要だと著者は説きます。
考える力のベースとなる3つの能力
他人と違うことをするには、自分の頭で考える習慣が欠かせません。
自分の頭で考えるには、
- 洞察力
- 発想力
- 集中力
の3つが必要だといいます。
洞察力を鍛えるには、他人を観察し、どんな人なのかを想像するのが良いそうです。
たとえば家では何をして過ごしているのか。生きがいは何か。お金を何に使うのが好きか、などを妄想するなど。
発想力を鍛えるには、ワンパターンな生活から抜け出すのが効果的とのこと。
非日常を大事にしなければなりません。
著者はワンパターンを避けるために、ラジオやテレビのレギュラーを2年以上続けないように心がけているといいます。
おなじ作業を繰り返しているとマンネリ化してしまい、頭を使わなくなるから、というのがその理由です。
このように、考える力のベースとなる洞察力、発想力、集中力について、それぞれ鍛え方が紹介されていました。
いずれも具体的なので、参考になります。
集中力のなさを自負する著者の「ボトルネック集中法」が興味深かった。集中力に自信のない人にとって参考になる。
まとめ
本書を通じて著者は、頭を使って考えることの重要性を説いています。
頭を使わなければ「みんなとおなじ」ことしかできません。
みんなとおなじことだけをしていても、成功して大金を稼ぐのは不可能。
だから成功してビッグになりたいなら、頭を使って考え、人と違う行動をするべきだというわけです。
「みんなとおなじ」が安全で無難であるという考えは、危険な思い込みです。
たとえば、ハムやソーセージ。
これら肉加工品は発がん性が実証されていますが、多くの人がスーパーで購入し、食卓に並べています。
「みんなも食べているし大丈夫だろう」と考えているなら、それは根拠のない思い込みに過ぎません。
みんなが食べているからといって、ハムやソーセーの発がんリスクが低下するわけではないのです。
頭を使って考えたなら、肉加工品が孕んでいる発がんリスクを憂慮し、摂取を避けるのではないでしょうか。
みんなは食べているけれど私は食べない、という具合に。
命が惜しいなら、少なくとも毎日食べるようなことはしない。
頭を使い、自分だけの人生を切り開いていきませんか?
人と違うことをするには頭を使う必要があり、頭を使うにはちょっとしたコツがあります。
その"ちょっとしたコツ"を学べるのが本書です。
あなたが年金受給者ではなく、現役で働くビジネスパーソンだとしたら、読んでおいて損はありません。
来るべき「貢献主義」の時代に備え、独自のスキルを磨いておきましょう。
以上、堀紘一著『人と違うことをやれ!なぜここに頭が働かない!戦略的生き方のすすめ』の要約と感想でした。
結論。本書は1999年出版だが、内容は古びていない。表面的なテクニックではなく、ビジネスの本質が書かれている証拠。
野心のある人にはおすすめ。「人と違うことをやれ」と命令口調なのが気に食わなくても、読んでみるべし。多くの人はこんな古い本をわざわざ読まないので、"人と違うこと"の第一歩になる。