本書を一言でいえば「著者の自慢話」です。
したがって、読む価値はありません。
この記事では、箱田忠昭著『落ちたリンゴを売れ!成功者が密かに実践する「生き方のルール」』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『落ちたリンゴを売れ!成功者が密かに実践する「生き方のルール」』の要約と感想
まずは本書の要約から。
人生は35歳までに決まる。
成功するには、自分の長所と短所を知り、長所を伸ばす努力をしなければならない。
働き方や時間の使い方など、成功するための秘訣を紹介する。
以上がおもな内容です。
世の中には2種類の本が存在しています。
読む価値がある本と、読む価値がない本です。
本書は後者でした。なぜ後者だと判断したのかを以下にまとめました。
主張の根拠が弱い
著者は「35歳までに人生は決まる」と断言しています。
なぜ30歳でも50歳でもなく、35歳という年齢なのかといえば、著者がそうだったから。
箱田氏は27歳で課長、29歳でマネージャー、33歳で部長になったといいます。
33歳という若さの部長は当時の外資系企業でも珍しく、週刊誌で取り上げられたそうです。
この経験から著者は、「35歳までに人生は決まる」と確信するに至ったのだとか。
発砲スチロールでつくった剣くらい根拠が脆弱。
「大器晩成」という言葉があります。
35歳までに結果を出せていなくても、焦ることはありません。
レイ・クロックは52歳でマクドナルドのフランチャイズ展開に挑み、成功をおさめています。
「落ちたリンゴを売れ」とは?
タイトルには「落ちたリンゴを売れ」とあります。
これは、本書で紹介されている「ヒョウが当たったリンゴ」のエピソードに由来しています。
空からヒョウが降ってきてリンゴに直撃し、リンゴを傷つけてしまった。
多くの農家は「これでは売り物にならない」と肩を落とした。
ところがある農家は、ヒョウが当たって地面に落ちたリンゴを「自然のめぐみを受けた珍しいリンゴ」だと宣伝し、売ることに成功する。
こんなエピソードです。
人間万事塞翁が馬、もしくは、物は言いようというやつです。
傷だらけのポンコツ中古車を「縁石やガードレールから乗員を守った勇敢な一台」と喧伝するかのよう。
ヒョウで傷ついたリンゴを売る商魂も去ることながら、ダマされて不良品を買ってしまう消費者の愚かさもなかなかのものだといえます。
著者が所有する別荘と高級車について
タイトルにある「成功者」のなかには、著者自身も含まれているそうです。
自分が成功者であることを読者に認めさせるために、著者は保有する資産を一部公開しています。
- 鎌倉に230平方メートルの家
- 山中湖に別荘
- 湘南に別荘
- ベンツやBMWなど計4台
これらを持っているのだから俺は成功者に違いないだろ?ってなもんです。
みなさんはどのようにジャッジしますか?
著者を「成功者」にカテゴライズしても良いか。良くないか。
そもそもこうした情報は必要なのか、必要ないのか。
読者に自慢したかっただけではないのか。
「自慢話」だと判断したなら、本書は読まないことです。
得るものがなく、自慢話にイライラし、時間とお金が無駄になります。
まとめ
世の中には2種類の本が存在しています。
読む価値がある本と、読む価値がない本です。
本書は後者でした。
「あなたはできます。この本を手にとった時点で、あなたの人生は好転します」
みたいな、胡散臭い励ましをしてきます。
読者は気休めの言葉をかけて欲しいわけでも、著者が所有する別荘の数と所在地を知りたいわけでも、33歳で部長になった武勇伝を聞かせて欲しいわけでも、ないのですが。
以上、箱田忠昭著『落ちたリンゴを売れ!成功者が密かに実践する「生き方のルール」』の要約と感想でした。
結論。厚かましさがあれば、落ちたリンゴでも自慢話でも、なんでもカネになる。
成功者について学びたい方には、こちらの本をおすすめします。