近年、スマホを入り口とした恐怖が増えているといいます。
あなた自身やお子さんが犯罪に巻き込まれないようにするためには、正しい知識が必要です。
本書を読んで、デジタル犯罪から身を守る方法を学んでみませんか?
この記事では、佐々木成三著『あなたのスマホがとにかく危ない 元捜査一課が教えるSNS、デジタル犯罪から身を守る方法』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『あなたのスマホがとにかく危ない 元捜査一課が教えるSNS、デジタル犯罪から身を守る方法』の要約と感想
まずは本書の要約から。
著者は元埼玉県警捜査一課。
警察での経験を踏まえて、スマホ社会で生きるうえで必要な防衛知識を伝えることが本書の目的である。
スマホは個人情報の塊だといえる。
紛失に備えた対策、フリーWi-Fiに潜む危険、フォロワーを購入できる実態、リベンジポルノの恐怖、架空請求被害についてなど、さまざまなデジタル犯罪とその防衛策を解説する。
以上がおもな内容です。
スマホを持っているすべての方が読んでおくべき一冊だといえます。
なぜなら、クルマの運転については教習所で教わりますが、スマホを安全に使う方法については学ぶ機会がないからです。
学ぶ機会が与えられないのなら、能動的に動き、自ら知識を得るしかありません。
本書がその一助になります。
スマホを落とす・紛失する恐怖
スマホには個人情報が詰まっています。
あなたがインターネットで検索した履歴、閲覧したサイト、これまでに撮影した写真、SNSでの交友関係などなど。
赤の他人に見られてはマズいはずです。
しかもそれが「悪意ある第三者」であれば尚更のこと。
落としたり盗まれたりしたスマホについては、以下のような危険があると著者は述べていました。
- 電子マネーやキャッシュレス決済の利用
- SNSアカウント乗っ取り、なりすまし
- 国際電話や長時間通話の利用
- 振り込め詐欺などの犯罪利用
- 有料アプリの利用
- 電話帳や連絡先などの個人情報売却
- スマホ本体の転売
ザッと見てわかるとおり、どれをやられても最悪です。
対策:ホーム画面にロックをかけておく
こうした被害に遭わないためには、万が一に備え、パスワードの設定が欠かせません。
ホーム画面にロックをかけ、他人に操作されないようにしておく必要があります。
パスワードも、「123456」などといった推測されやすいものではダメだといいます。
「6969」も設定する人が多いので避けたい。
なかには「いちいち解除するのが面倒」だといって、ロックをかけていない人もいますが、これでは拾ったり盗んだりした人が使い放題です。
かならずパスワードをかけてスマートフォンを保護しておきましょう。
スマホ紛失でもっとも多いシチュエーションは「飲酒時」だと著者は述べていました。
居酒屋へ行く機会の多い方はご注意ください。
昨今の架空請求事情
読者のなかには、スマホやタブレット端末を使い、アダルトサイトを閲覧している方がいるかもしれません。
ここで気をつけるべきが「架空請求」です。
昨今の架空請求は10万円以下の金額を提示してくるケースが多いといいます。
なぜなら、誰にも相談せずに支払える程度の金額だからです。
「アダルトサイトを見ていたらさ」などとは恥ずかしくて言えない。だから人に相談できない。犯罪者はこの心理を突いてくる。
サイトを開いた瞬間に「カシャ」とシャッター音が鳴ることもあります。
インカメを使って顔写真を撮られたと思い、焦ることでしょう。
が、実際に写真を撮っているわけではないのだそうです。
アダルトサイトを訪問したユーザーを不安にさせ、お金を払わせるための細工に過ぎません。
いやらしいサイトは見ないのが一番。
こうした知識を持っていれば、「カシャ」という音が鳴り響いたとしても、落ち着いて対処できます。
犯罪に引っかかってお金を失うことはありません。
まとめ
警察官としてデジタル犯罪対策に関わってきたこともあり、いずれのケースも具体的に説明されています。
どのような事件が多いのか、どうすれば防げるのかといった情報や知識が示されている良書です。
とりわけ本書のキモといえるのが、
- スマホ紛失に備えた対策
- SNS利用の仕方
この2点です。
SNSの投稿をきっかけにストーカー被害に遭うケースがあります。
本書で紹介されていた事例を読み「犯罪者はそこまでやるのか」と戦慄しました。
投稿画像に写っている背景から住所や個人情報を特定され、ストーカーにつきまとわれる恐れがあるのだといいます。
犯罪者は、知識を持たない人間をカモにして生きています。
シャッター音でビビらせたり。
カモにならないよう、正しい情報と対応策を学び、自分の身を守るのが望ましいといえます。
以上、佐々木成三著『あなたのスマホがとにかく危ない 元捜査一課が教えるSNS、デジタル犯罪から身を守る方法』の要約と感想でした。
結論。デジタル犯罪の実態と対処法を学べる良書。スマホを持っている人は読んでおきたい。