自分がどのような「思い込み」に囚われて生きているのかを、あなたは理解していますか?
「思い込みなどしていない」
と考えているなら、それこそ最大の思い込みなのかもしれません。
人生を賢く生き抜くためには、錯覚や思い込みから解放される必要があるといいます。
この記事では、ロルフ・ドベリ著『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』の要約と感想
まずは本書の要約から。
人間の錯覚や思い込みがテーマ。
あらゆる場面で働く心理やバイアスを明らかにし、気をつけるよう警鐘を鳴らす。
なぜなら、思い込みにとらわれていると正しい判断ができなくなってしまうから。
病気や怪我をプラスに受け止めること。
ニュースに目を通すべきだと考えること。
「最後のチャンス」に焦ってしまうこと。
予想外に得たお金は散財しやすいこと、など。
間違った思い込みに縛られることなく生きる方法を説く。
以上がおもな内容です。
物事を合理的に考えるのが好きな方に本書はおすすめです。
ただ間違いを避ければ良いだけ
幸せになる方法はさまざまですが、いっぽうで、不幸になる方法はある程度限られています。
失業、金銭的困窮、孤独、病気、家族との死別などの状況が生まれたとき、たいていの人は不幸を感じます。
ここから著者が導き出したのが、「不幸や間違いを避けるだけで、良い結果に結びつく」という考えです。
運転免許証にたとえるとわかりやすいかもしれません。
ゴールド免許が交付される条件は、事故や違反をしないこと、です。
一発で駐車を決められるテクニックも、ストレスのないブレーキング技術も不要です。
ただ過ちを犯さないだけで、ドライバーはゴールド免許を得ることができます。
ゴールド免許獲得に、卓越したドライビングスキルは要らないということ。
これは人生もおなじで、失業、金銭的困窮、孤独、病気などを避けることができれば、それだけでもう幸せなのではないでしょうか。
「錯覚や思い込み」から解放されるだけで、こうした不幸を避けられるケースは多々あります。
それを52の思考法としてまとめ、紹介しているのが本書です。
バイク事故は人生にプラスなのか?
著者は「危機にプラスの要素を見つけなくて良い」と述べていました。
どういうことでしょうか。
例として著者は、バイク事故を起こした友人の話をしています。
バイクで走行中に事故を起こし、バイクの恐ろしさを知り、バイクを売った友人の話です。
「危機を経験して良かった。おかげですっかり生き方が変わった」ってなもんです 。
こうした話は世の中に溢れていますが、著者は否定的です。
「バイクの恐ろしさを知るには統計を見るだけでじゅうぶん。死の危険を冒す必要などない」というわけです。
ずいぶんと冷たい意見ですが、真実を述べているのではないでしょうか。
危機を経験しなくても答えは見つかる
失敗や危険を味わった人間は、たいてい生き方を改めます。
- 金銭欲を抑える
- ストレスを減らす
- 自分に合った仕事を探す
などの行動をしがちです。
ですが、危機を経験しなくともこうした結論には辿りつける、と著者は述べます。
まぁ、確かに。
「頭では重要性をわかっていたが、危機を経験してはじめて生き方を変えられた」
という人に関しては、
「行動を変えていないんだったら、何も考えていないのとおなじ」
だと著者はいいます。
厳しい意見。でも事実。
つまるところ、危機は避けるに限る、ということです。
ポジティブ思考を駆使して、良い思い出へとアップデートさせる必要などないといいます。
合理的で身も蓋もない主張ですが、けっして間違ったことは述べていません。
まとめ
本書は、私たちが思い込みを手放すためのサポートをしてくれます。
たとえば「ボランティアは良いこと」というのは思い込みです。
いっぽうで誰かの仕事を奪っているかもしれなからです。
キャッチするニュースなどの情報は多ければ多いほど良い、というのも思い込みです。
無価値なものが堆積しても無価値なままだからです。
このように思い込みから解放されれば、正しい判断ができ、不幸に陥るリスクを減らせます。
すなわち、賢く生き抜くことができるわけです。
ご自身の「賢さ」を磨いてみませんか?
以上、ロルフ・ドベリ著『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』の要約と感想でした。
結論。思い込みダメ、ゼッタイ。
ロルフ・ドベリは『Think clearly』という本も出しています。
どちらも良書です。