パンやラーメン、パスタ、クッキー、シリアルなど、小麦製品を食べていませんか?
あるいは、野菜をたくさん食べていませんか?
本書は、小麦や野菜を食べている人が読むべき一冊だといえます。
なぜなら、これらの食材を摂取すると不調を招く恐れがあるからです。
この記事では、松原秀樹著『腸もれ リーキーガット解消法』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『腸もれ リーキーガット解消法』の要約と感想
まずは本書の要約から。
アレルギーや肥満、糖尿病など体質改善のカギは腸にある。
リーキーガットとはゆるんだ腸壁のことを指し、この状態の腸壁は、本来吸収すべきでないものまで吸収してしまう。
ゆるんだ腸壁を通過した毒素が血管に入り込むと、免疫系が暴走し、アレルギーや関節炎などの不調を引き起こす。
リーキーガットを引き起こす小麦(グルテン)や、野菜に含まれる毒素レクチンなど、腸にとって好ましくない成分を解説する。
以上がおもな内容です。
「食事と健康」に興味がある方に本書はおすすめです。
なぜグルテンやレクチンを避けるべきなのかがこの一冊でよくわかるからです。
「グルテン」と「レクチン」の解説が豊富
本書では、グルテンとレクチンの恐ろしさについて、イチから解説してあります。
小麦製品に含まれているグルテンはなぜ腸にとって良くないのか。
オーガニックや全粒粉の小麦であればグルテンの心配はいらないのか。
野菜に含まれているレクチンとはどんな成分なのか。
野菜は健康に良いはずではないのか。
なぜ玄米を主食にすると貧血や冷え性に悩まされやすくなるのか、など。
小麦に含まれているグルテンと、野菜や穀物に含まれているレクチンのことがよくわかります。
腸の健康を考えるのであれば、これらの成分を含む食べ物は、摂取を控えたいところです。
私たちは植物を食べさせられている
本書のなかで著者は、「私たちは植物を食べさせられているのかもしれない」と述べていました。
これはたいへん興味深い主張です。
著者はまず、日本では縄文時代にかなりの肉が食べられていたことを挙げます。
ところが稲作によって爆発的に人口が増えたため、肉が足りなくなります。
そこで時の為政者たちは、「肉食はいやしくて下賤なこと」という思想を、宗教の力を借りて広めました。
675年に天武天皇が肉食禁止令を出してから、明治時代の1872年まで、日本人の庶人は肉食を禁止され、大豆でタンパク質を摂取するしかなかったのだといいます。
日本に大豆が広まったのは、日本人の体質に合っていたから、ではなかったわけです。
肉が食べれないので仕方なく、ということ。
支配階級は肉を食べていた
いっぽうで、支配階級の間では趣味として狩りが行われ、肉が食べられていたそうです。
平均寿命が42歳だった江戸時代でも、裕福な武士階級では60歳以上になるまで生きる者も珍しくはありませんでした。
こうした事実を述べたうえで、著者は「植物を食べさせられている」のだと主張しています。
植物は、人間に食べられるために育っているのではありません。
外敵から身を守るために、植物は「食べた動物が死ぬようにするための毒素」を持っているのです。
為政者の都合によって、私たちは受け継いできた食性を捨て、熱心に植物食をつづけています。
その結果として身体を痛め、病気になり、老化を早めているのだとしたらどうでしょう。
私たちはダマされていたのかもしれません。
それとも、ただのくだらない陰謀論?
まとめ
情報量が多く、たいへん有意義な一冊です。
グルテンフリー云々だけでなく、「食事と健康」に興味のあるすべての方に本書をおすすめします。
多くの人たちが漠然とパンを食べ、ラーメンを啜り、ビスケットを頬張り、玄米を主食にしているなかで、あなたは正しい選択をしたいと思いませんか?
グルテンとレクチンから身を守るには、知識が必要です。
本書には、その知識がわかりやすい形で載っています。
あとは、果物が老化を促す理由や、食物繊維の過剰摂取が腸に悪いワケなども。
以上、松原秀樹著『腸もれ リーキーガット解消法』の要約と感想でした。
結論。体に悪いものを食べたくないと考えている方におすすめの本。腸のために、グルテンとレクチンを避けるべし。