本書で紹介されている「バケツとひしゃくの理論」を知れば、いまよりポジティブな姿勢で日々を過ごせるかもしれません。
この記事では、トム・ラス著『心のなかの幸福のバケツ 仕事と人生がうまくいくポジティブ心理学』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『心のなかの幸福のバケツ 仕事と人生がうまくいくポジティブ心理学』の要約と感想
まずは本書の要約から。
人生において、ポジティブでいることは重要だ。
ポジティブに過ごしていれば免疫力が高まるため病気になりにくく、夫婦関係は良好なものになる。
それに、楽天的に生きたほうが幸福感を得やすい。
「バケツとひしゃくの理論」を中心に、ポジティブに生きる効果とその方法を解説する。
以上がおもな内容です。
良い気分で毎日を過ごしたいすべての方に本書はおすすめです。
「バケツとひしゃくの理論」がキモ
本書のなかでもっとも重要なのが、「バケツとひしゃくの理論」です。
人は誰でも心にバケツを持っているとし、他人に何かを言われたり、されたりするたびに、バケツの水が増減すると考えます。
また、ひしゃくも持っており、相手のバケツに水を注ぐことが可能だといいます。
バケツの水が多ければ人は前向きになり、水が減ると人はネガティブになるのだと、著者は述べていました。
世界観を獲得する
当然ながらこれは比喩です。
とはいえ、前向きに生きるうえで役立つ概念ではないでしょうか。
本書を読めば、人と接する際に、ひしゃくを使って相手のバケツに水を注ぐよう心がけるようになります。
そうすることで自分のバケツにも水が増えることを知っているからです。
日常のあらゆるシーンにおいて、「バケツの水が減るか増えるか」という視点から物事を考えるようになります。
バケツの水が増えるような選択をすれば、ポジティブな結果が得られます。
私たちの幸福度を算定することはできませんが、心のバケツに喩えることで、その状態が把握できるような気がしてくるものです。
こうした概念あるいは世界観を獲得できる点に、本書の価値があるといえます。
バケツとひしゃくの理論は、私たちがポジティブに生きるのを手助けしてくれるツールです。
水を注いでもらえるのを待っているバケツがある
この世界には、干からびる寸前のバケツがたくさん存在しています。
なぜなら、誰かに褒められたり認められたりする機会が多くの人にはほとんどないからです。
あなたは職場で上司に褒められた記憶があるでしょうか。
上司に正しく評価されていないと感じて不満を持つ社員はいても、上司に褒められすぎて困っている社員はいません。
職場に限らず、家庭においても、ほかのコミュニティにおいても、私たちは誰からから褒められることがありません。
ゆえにバケツの水は蒸発寸前だといいます。
「世の中には水が注がれるのを待っているバケツがたくさんある」と著者は述べていました。
それはあなたのパートナーかもしれませんし、職場の同僚かもしれません。
自分の行動が人々のバケツから水を汲み出していないか、どうすれば相手のバケツに水を注げるのかを、あなたは考えるようになるはずです。
愛に満ちた言動は、やがて自分のバケツの水を増やすことにつながっていくのでしょう。
要は、本書を読むことで「優しく生きるための考え方」を手に入れられるということです。
まとめ
本書はページ数が少なく、内容はあっさりしています。
だからといって読む価値がないわけではありません。
「バケツとひしゃくの理論」を知れるだけで、本書にはじゅうぶん読む価値があるといえます。
「いろいろ書いてあったけど何が大事なのかよくわからなかった」などという読書体験よりも、よほど有意義ではないでしょうか。
前向きなメンタルを手に入れたい方はぜひ読んでみてください。
以上、トム・ラス著『心のなかの幸福のバケツ 仕事と人生がうまくいくポジティブ心理学』の要約と感想でした。
結論。バケツとひしゃくの理論を知れる本。相対性理論ほど難解ではなく、一度読めば誰でも理解できる。