座りっぱなしのデスクワークで疲労が溜まっていませんか?
姿勢を見直せば、いまの疲れを軽減できるかもしれません。
この記事では、中村格子著『医師が教えるゼロポジ座り 疲れない、太らない、老けない』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『医師が教えるゼロポジ座り 疲れない、太らない、老けない』の要約と感想
まずは本書の要約から。
著者は整形外科医である。
日本人は座っている時間が世界一長いからこそ、どんな座り方をするかが重要だと説く。
正しい姿勢で座れば、疲れない、集中力がアップする、仕事のパフォーマンスが上がるなど、多くのメリットを享受できる。
理想的な座り姿勢を、イラストを交えながら解説する。
以上がおもな内容です。
デスクワークによる肩こりや腰痛に悩まされている方に本書はおすすめです。
ゼロポジ座りで正しい姿勢を作る
本書のキモは、「ゼロポジ座り」という座り方です。
体に負担がかからない座り方のことを、著者は「ゼロポジ座り」と呼んでいます。
ゼロポジというのは、医学用語である「ゼロポジション」のことで、骨格に歪みがない状態を指します。
すなわち本書では、すべての関節の中心に均等に体重が乗っている状態を目指しているわけです。
ゼロポジ座りは、骨格のイラストなどを交えながらわかりやすく解説されていました。
したがって、体の構造に詳しくない方でもすんなり理解できるようになっています。
腰を90度に曲げた直角の姿勢が「理想的な座り方」だと思っている方は、本書を読んだほうが良いかもしれません。
なぜなら、90度ではなく、腰を110度に開いた姿勢がゼロポジだからです。
無理をして直角の姿勢で座っているとしたら、腰に負担がかかっている恐れがあります。
横隔膜の重要性について
本書には、座り方以外の情報も載っています。
たとえば、横隔膜についてです。
横隔膜というのは、肺の下部にある筋肉のことをいいます。
横隔膜が正しく動く呼吸(深い呼吸)をできていれば、インナーマッスルである体幹の筋肉が動くため、自然に体幹を鍛えられるのだと著者は述べていました。
わざわざジムへ行ったり、時間をとってトレーニングをしなくても、ただ座って仕事をしながら「インナーマッスル」のトレーニングができるわけです。
ではどうすれば横隔膜をフル活用した深い呼吸ができるのでしょうか。
答えは、ゼロポジ座りです。
ゼロポジ座りをすれば横隔膜の動きが良くなり、呼吸のたびに体幹の筋肉が鍛えられるのだといいます。
自律神経に働きかける
横隔膜は「神の筋肉」と呼ばれているそうです。
なぜなら、横隔膜は特殊な筋肉だからです。
筋肉というのは、
- 自分の意思で動かせる筋肉
- 自分の意思では動かせない筋肉
これら2つに分類できます。
たとえば、心臓の筋肉である心筋は、意思の力ではどうにもできません。
ちょっと早く心臓を動かしたり、2秒ほど拍動を止めたりということはできないわけです。
横隔膜は意識しなくても呼吸のために動いています。
いっぽうで、自らの意思でも動かすことができます。深く呼吸をすれば横隔膜をたっぷり動かせますし、素早く呼吸をすれば素早く動かせます。
横隔膜を操れるメリットは、自律神経に働きかけられることです。
リラックスしたいときにゆったり深い呼吸をすれば、副交感神経を優位にすることができるのです。
以上はやや専門的な内容です。
本書では詳しい解説が載っていますので、興味のある方は読んでみてください。
ゼロポジ座りが「肩こりを防げるだけの座り方」ではないことがわかります。
まとめ
イラストを用いて疲れにくい座り方をレクチャーしてくれるのが本書です。
横隔膜とメンタルの関わりや、正しい首の動かし方など、プラスアルファの要素も学ぶことができます。
タイトルはいささか大袈裟ですが、それでも、長時間座っている人は読んだほうが良いでしょう。
正しい座り方で肩こりや首の痛みを軽減できれば、仕事中のストレスを減らせます。
これは、仕事の疲労を最小限に止めるための知恵です。
整体や整骨院へお金と時間を使っているとしたら、それらの資本を本書に回してみませんか?
以上、中村格子著『医師が教えるゼロポジ座り 疲れない、太らない、老けない』の要約と感想でした。
結論。姿勢は重要。5〜6キロもある重たい頭部を支えているから。骨で支えれば負担を軽くできるが、姿勢が悪いと、筋肉を酷使することになる。座り方が悪い人は、損をしている。