デスクワークが健康にどんな悪影響を及ぼすか、知っていますか?
この記事では、佐々木さゆり著『本当は怖いデスクワーク』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『本当は怖いデスクワーク』の要約と感想
まずは本書の要約から。
猫背、ストレートネック、腰痛、眼精疲労、便秘、肥満、うつ。
これらすべて、座りっぱなしが招く恐れのある弊害である。
世界でもっとも座る時間が長いとされる日本人に向けて、座っていることで引き起こされる症状とその予防法を解説する。
以上がおもな内容です。
著者はなんでもかんでも「座りっぱなし」に結びつけており、こじつけ感を覚えました。
すべて本当にデスクワークの脅威なのか?
座りっぱなしによる健康被害として、
- 眼精疲労
- 肥満
などが挙げられています。
ですが、眼精疲労はパソコンの画面を見続けた結果起こるものであって、座位が悪いわけではありません。
つまり、こじつけです。
座ったままずっと山を眺めていても、眼精疲労にはならない。
肥満についても、座りっぱなしが原因というよりも、運動不足が直接の原因です(あるいは間食のせい)。
座位ではなく、寝っ転がっていても、直立していても、やはり運動不足により太ってしまうでしょう。
著者はデスクワークを悪としたいがために、関連性の薄い症状までデスクワークのせいにしている感があります。
解決策が解決策になっていない
デスクワークそのものが招くわけではない症状まで、著者はデスクワークの弊害として取り上げています。
ゆえに本書で示されている解決策は、解決策になっていませんでした。
たとえば、オフィスで座ったままできるストレッチが本書では紹介されています。
とはいえ、ストレッチをしたところで眼精疲労や肥満はどうにもなりません。
パソコンの画面が発するブルーライトによって目は疲れますし、運動不足によって脂肪は増えます。
デスクワークの脅威として紹介しておいて解決策を提示しないというのは、無責任です。
申し訳程度に書かれていた「比較的強度の高い運動を1日に1時間以上すれば良い」といったアドバイスは、現実的ではありません。
つまるところ、根本的な解決策を示せていないのが本書の難点だということです。
まとめ
デスクワークの恐ろしさだけを教えられ、ロクな解決策は(あるいは非現実的な解決策しか)教えてもらえないという、後味の悪い本でした。
身も蓋もないことをいえば、
- 体を動かす仕事に転職する
- スタンディングデスクを導入する
- 帰宅後あるいは通勤時間で運動する
などの方法でしか、座りっぱなしによる問題は解決できません。
眼精疲労については、ブルーライトカットメガネを使うか、パソコンを使わない職に就くか。
ところが本書には、「こういう成分を摂るといい」など、食事面でのアドバイスが書かれていたりします。
焼け石に水というか、なんとも気が遠くなるような解決法です。
以上、佐々木さゆり著『本当は怖いデスクワーク』の要約と感想でした。
結論。正しくは、本当は怖い運動不足。
家のなかでできる運動はこちらです。
スタンディングデスクに興味はありますか?