成功するには「与える人(ギバー)」になるべし、と説いている本です。
あなたは自分が得をすることばかり考えていませんか?
この記事では、アダム・グラント著『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の要約と感想
まずは本書の要約から。
成功したければ、自分志向から抜け出すことだ。
なぜなら、仕事というのは他者のために行うものだからだ。
自分のために行うものは趣味。
他人に利益をもたらせば、巡り巡って自分自身にも利益が返ってくることになる。
ビジネスパーソンをギバー、テイカー、マッチャーの3タイプに分類し、成功するにはなぜギバーになるべきかを解説する。
以上がおもな内容です。
仕事で成功したい人に本書はおすすめです。
情けは人のためならず
本書の内容を一言で表していることわざがあります。
「情けは人のためならず」がそれです。
他人に情けをかければやがて自分自身に利益が返ってくる、ということを、このことわざは意味しています。
甘やかすとその人のためにならない、は誤り。
情けは人のためにかけるのではなく、自分のためにかけるのだ、というわけです。
仕事というのは、誰かを助けるために行うものです。
自分のためではなく、人々の役に立つビジネスをしてこそお金が儲かるというのは、当然の話ではないでしょうか。
この一言で説明できてしまう真理について、大量のページを割いてダラダラと説明しているのが本書です。
冒頭だけ読めば十分
外国人というのは、どうしてこうもダラダラと具体例を書くのが好きなのでしょう。
やれ知人のトムがどうしたとか、同僚のベイルがどうしたとか、冗長な具体例が延々と続いています。
わざわざ具体例を挙げなくても理解できるというのに。
もしかすると海外では、「分厚い本こそ良い本だ」みたいな価値観があるのかもしれません。
なんにせよ、やたらと長ったらしい本書は読むに耐えませんでした。
救いだったのは、楠木建による要約が本書冒頭に載っていたことです。
この本について、彼が十数ページでまとめてくれていました。
本書を監訳した楠木氏の文章を読めば、あえて本文を読む必要などありません。
楠木氏の要約文がなければ酷いものだった。
「情けは人のためならず」ということわざをを薄めて薄めて、薄めてできたのが本書です。
まとめ
本書はAmazonで高評価を獲得しています。
どうやら豊富な具体例をありがたがっている読者も存在するようです。
たくさんのケースが示してあってわかりやすい、みたいな感想があった。理解力に難あり。
本書に人々が高評価をつけてしまうのは、「この本を評価しないのはセンスが悪い」といった空気のせいではないでしょうか。
あるいは、この素晴らしいアドバイスを理解できないなんて頭が悪い、的な。
他者のレビューがどうであれ、本書が冗長なのは事実ですし、楠木氏の要約文ですべてを知れることには変わりありません。
この本が気になる方は、本屋で冒頭だけ立ち読みすることをおすすめします。
本文が気になっても、わざわざ購入する必要はありません。
楠木氏による解説文以上のことは書かれていないからです。
以上、アダム・グラント著『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の要約と感想でした。
結論。効率が悪い本。十を聞いて一を知る、みたいな。「人のために行動しろ」と説く本に著者の個人的な話ばかり載っているのは、皮肉なこと。読者のためを思うなら、もっと端的にまとめたほうがいい。著者は私たちの時間を奪うテイカーなので、成功は難しそう。
他人にギブすることを、幸田露伴は「分福」や「植福」という言葉で表現しています。
成功を目指す方には、こちらの本をおすすめします。
なんだかんだいって、努力するしかない。