儲かる日本語とはなんでしょうか?
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そんな言葉が「儲かる日本語」なのだと著者はいいます。
この記事では、野呂エイシロウ著『儲かる日本語 損する日本語 相手の心が思わず動く24の法則』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『儲かる日本語 損する日本語 相手の心が思わず動く24の法則』の要約と感想
まずは本書の要約から。
儲かる日本語とは、お金を生み出す言葉のことである。
たった一言が何億円もの儲けを生み出すことがあるいっぽうで、一言でお客が離れてしまうこともある。
言葉を甘く見るべきではない。
放送作家やコンサルタントとして活躍してきた著者が、「儲かる日本語」の使い方をレクチャーする。
以上がおもな内容です。
言葉を生み出すのにコストはかかりません。
優れたコピーや文章が利益をもたらすのであれば、「儲かる日本語」を意識してみる価値はありそうです。
扱っているテーマに一貫性がない
本書が扱っているテーマには一貫性がありませんでした。
たとえば、まずレストランや個店などの運営に役立つ言葉が本書では紹介されています。
かと思えば、つづいては「稼ぐ接客術」へとテーマが移行します。
お次は商品のネーミング、それから仕事ができる人のメール術、あるいは儲かっている会社の経営者についてなど、内容がバラバラです。
つまり本書は、ただケーススタディが並べてあるだけ、だということです。
「儲かる日本語」の本質が書かれているわけではなく、「商品をこんなネーミングにしたら売上がアップした」といった個別の成功例だけが本書には並べられていました。
「言葉は大事だよ」というメッセージは伝わってきますが、超具体的な例がどこまで参考になるかは、読者によるといえます。
あなたがレストランオーナーなら、多少は得るものがあるかも。
「儲かる日本語」は大袈裟
タイトルにある「儲かる日本語」という表現は、大袈裟です。
なぜなら、本書にはケーススタディばかりが書き連ねてあるからです。
つまり本書は、本質に触れていません。
お客の心を動かすのに重要なのはなんでしょうか?
それは「どんな言葉を使うか」ではなく、「どうすれば心が動くか」という人間心理を知ることのはずです。
言葉はあくまでもコミュニケーションツールであって、相手に訴えかけるための手段に過ぎません。
たとえば経済理論のなかに、「損失回避の法則」というものが存在します。
これは、利益よりも損失のほうを重要視してしまう人間心理を指しています。
ヒトは「損をしたくない」という気持ちが強い、ということ。
こうした根源的な心理に基づいて、「損をしたくないお客の気持ちを解消するにはどうすれば良いのか」を供給者側は考えます。
そうして解決策が見つかって、ようやく表現するための「日本語」が登場するのではないでしょうか。
つまり、お客の不安を解消するための日本語。
本書で紹介されている「日本語」だけを見て、「なるほどなぁ、賢いなぁ、マネしよう」などと感心しているようでは、儲けるのは難しそうです。
なぜなら読者は、結論部分を見せられているだけだからです。
まとめ
「儲かる日本語」というものが存在すると思うのは誤りです。
儲かる日本語など世の中に存在しません。
商品やサービスを実態以上に素晴らしく見せ、その価値以上の魅力を客に感じさせ、買わせる言葉を指すのだとしたら、そんなものは詐欺も同然です。
高額な壺を売りつける、みたいな。
「大人」という言葉があるから大人というものが存在していると思ってしまうように、「心」という言葉があるから心というものがあると信じてしまうように、「儲かる日本語」などという言葉もまた、ただの錯覚です。
そして、人の心を動かすために知っておくべきは、人間心理についてです。
本書を読むくらいなら、心理学の本を読んで人間心理を学んだほうが、よほど「儲け」を増やせるのではないでしょうか。
以上、野呂エイシロウ著『儲かる日本語 損する日本語 相手の心が思わず動く24の法則』の要約と感想でした。
結論。著者のコンサルタントとしての実績一覧表。
お金を稼ぐための言葉という意味では、こちらの本のほうが参考になります。