正しい姿勢を保つには、体幹を鍛える必要があるといいます。
猫背になってしまうとしたら、あなたは腹筋や背筋の筋力が足りていないのかもしれません。
この記事では、小笠原清忠著『一流の人はなぜ姿勢が美しいのか』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『一流の人はなぜ姿勢が美しいのか』の要約と感想
まずは本書の要約から。
小笠原礼法に基づいた「正しい姿勢」を解説している。
小笠原礼法は鎌倉時代に弓術、弓馬術、礼法を統合するかたちで生まれ、武家社会において伝承されてきた。
いわば武道の型のようなものである。
正しい姿勢は身体だけでなく心にも作用する。
正しい姿勢で過ごせば疲れにくくなり、高い集中力を持続できるはずだ。
以上がおもな内容です。
パソコンやスマホを操作している時間が長い方に本書はおすすめです。
正しい姿勢には筋力が必要
正しい姿勢を保つには、腹筋、背筋、大腿筋といった体幹がしっかりしていなければならないと著者はいいます。
なぜなら、体幹が弱っていると、頸椎や腰椎、膝などに不自然な負荷をかけてしまうからです。
美しい姿勢をキープするためには「骨の少ないところを鍛錬すべき」だそうです。
とりわけ重要なのが内転筋だと本書には書かれていました。
内転筋とは、太ももの内側にある筋肉のことをいいます。
内転筋を意識して使うようにすることで、体幹が鍛えられていきます。
結果として、正しく美しい姿勢を持続しやすくなるわけです。
正しい姿勢について礼法では、「耳は肩に垂れ、顎が浮かず、襟がすかぬよう」と指導するそうです。
耳の線が肩に下りるよう頭を据え、顎を軽く引き、首は服の襟との間に隙間ができないようにしてみてください。
それが正しい姿勢です。
もしキツいと感じる場合には、体幹の筋力が足りていないのかもしれません。
美しい姿勢を保つために、腹筋や背筋、下半身の筋肉を鍛えてみてはいかがでしょうか。
礼法について学べる
本書は「医師が書いた姿勢に関する本」とは毛色が異なります。
はるか昔から受け継がれてきた礼法に基づいて「正しい姿勢・動作」を指導しているため、体の使い方だけでなく、精神面についても学ぶことができます。
つまり、礼法を学べば武士のようになれる、ということです。
本書の後半では、和食のマナーなどについて解説されている。姿勢とは無関係だが、礼法ということで。
武士はかつて、長時間にわたって正座で仕事をしていたといいます。
なぜなら、正座は本来、体にとって楽な姿勢だからです。
多くの現代人にとって、正座というのは足が痺れるイヤな座り方であり、とても楽であるとは思えません。
ですが、足が痺れてしまうのは正座のせいではなく、太腿の筋肉が弱いことが原因だと著者はいいます。
正座は物事を考えるのに適した姿勢であり、背筋が伸びるため脳が活性化され、記憶や作業の効率が高まるのだそうです。
それでも正座が苦手な人は、猫背になりやすい胡座ではなく、「幡足座」という座り方が良いのだと本書には書かれていました。
幡足座はイラスト付きで紹介されています。
興味があればぜひ確認してみてください。
まとめ
姿勢だけでなく、礼法や心構えについても本書では多く触れてありました。
姿勢についてはところどころイラストが載っていますが、その量は必要最低限といった感じです。
正しい姿勢を理解するには必要十分なイラストの量でした。
なにより本書を読むことで、日本古来の教えや正しい姿勢には根拠があり、人体の構造に基づいているのだということを学べます。
姿勢も所作も凛とした、美しい人になってみませんか?
本書で知識を学び、体幹の筋肉を鍛えれば、誰でも「日本古来の美しさ」を身につけることができます。
以上、小笠原清忠著『一流の人はなぜ姿勢が美しいのか』の要約と感想でした。
結論。美しい姿勢や所作を手に入れたい方におすすめ。本書は「誰でも簡単」をウリにしておらず、指導内容を身につけるにはそれなりの努力が必要。正しい姿勢は、美しさだけでなく、集中力などもあなたにもたらすだろう。
礼法に興味がないという方には、こちらの本がおすすめです。
デスクワークの疲労を抑える座り方について学ぶことができます。