「自分の頭で考えろ」といわれても、ピンとこない方に向けた本です。
この記事では、渡辺健介著者『自分の答えのつくりかた』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『自分の答えのつくりかた』の要約と感想
まずは本書の要約から。
想定読者は中学〜高校生。
問題解決や意思決定の力を培うことを目的としている。
自分の考えを持つためにはどうしたら良いのか、魚たちの物語にコラムを交えつつ解説する。
以上がおもな内容です。
いわゆる「クリティカルシンキング(批判的思考)」が本書のメインテーマです。
物語が退屈
サッカーが好きな赤い魚・ピンキーを主人公とした物語が本書のメインです。
物語を通して「考えるとはどういうことか」を著者は伝えようとしているわけです。
ところがこの物語が退屈で、読むに耐えないものでした。
少なくとも大人が読むような内容ではありません。
サッカーがどうとか、進学がどうとか、プロの作家ではない素人が書いた小説もどきが延々とつづきます。
「水中では浮力が働くはず。魚たちはサッカーでいったいどんなボールを使っているんだ」
などといったことが気になってしまい、サッカー小魚・ピンキーのストーリーに集中できませんでした。
子どもが読むには良いのでしょう。
ただし本書は、大人が読むような本ではありません。
三輪車が、大人が使うような移動手段でないのとおなじです。
実際は大人たちに好評?
ネット通販サイトAmazonで調べてみると、本書が高レビューを獲得していることがわかります。
大人たちが「子どものために買ったが、大人の自分も参考になった」だとか「考え方がよくわかる」だとか、本書を大絶賛しているのです。
個人がどう思うかはともかくとして、彼/彼女らがこれまでいっさい物事を考えてこなかったことは間違いないでしょう。
ボーッと生きてきた、ということ。
50歳の大人が、初めて回転寿司に訪れて大はしゃぎしているようなものです。
たいていの50代はこれまでに回転寿司を経験しているはずであって、50代で回転寿司デビューというのは、遅咲きというか、異例です。
大人には、大人にむけたクリティカルシンキングや、考え方についての書籍が存在しています。
わざわざ本書を選び、赤小魚ピンキーの奮闘に付き合うことなどありません。
- 良い点を悪い点を考えよう
- 反論するなら代替案を提示しよう
といった初歩的な内容が書かれています。
こうした本書のコアを学ぶためにピンキーのストーリーを追うのは、ガスコンロやIHを使わず、自分で火を起こして調理をするようなものです。
つまり、時間の無駄だということです。
まとめ
中学生や高校生にとっては、良い本なのかもしれません。
クリティカルシンキングとはなんなのかを、小魚ピンキーを通じて学べるからです。
もしあなたが20歳を超えているのであれば、本書はおすすめしません。
おそらく本書では物足りず、そもそもサッカー小魚ピンキーの葛藤に興味が持てず、途中で飽きてしまうことでしょう。
なぜなら、著者がいつまでもクリティカルシンキングの核心部分に触れてくれないからです。
たとえるなら、上映前の予告編が50分間つづく映画のようなものです。
あなたは耐えられますか?
以上、渡辺健介著者『自分の答えのつくりかた』の要約と感想でした。
結論。プロの作家ではない人間が書いたメッセージ性が強すぎる小説もどきは、読むに耐えない。むろん本書は悪くない。ただの選書ミス。
あなたが大人であれば、思考力アップにはこちらの本がおすすめです。
情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考えるコツが書かれています。
哲学とあるが、批判的思考(クリティカルシンキング)についても説明されている。