完璧主義な人というのは、自分だけでなく他人にも厳しいことがほとんどです。
- 雑な人
- 大雑把な人
- いい加減な人
- テキトーな人
- 中途半端な人
こういった人々は、完璧主義者にとって許しがたい存在です。
なぜなら、彼/彼女らは「完璧でなければならない」という完璧主義者のポリシーに反しており、たとえ他人であっても見ていて不快に感じるからです。
ではいったいどうして、完璧主義者は他人にまでおなじような完璧さを求めるのでしょうか。
この記事では、
- 完璧主義者が抱える不安
- ルーズな人間への憧れと嫉妬
など、「完璧主義者が人に厳しい理由」についてわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
完璧主義者が人に厳しい理由
完璧主義者は、「人に厳しい」と周囲から思われがちです。
なぜなら、他人のいい加減な言動にたいして寛容でなく、完璧さを強要することがしばしばあるからです。
- 食器に汚れがついている
- 洗濯物のたたみ方が丁寧でない
- 試験前なのに勉強をしていない
- 腸に良くないグルテンを摂取している
- 指示した仕事の出来が想像とちがう
といったシチュエーションに遭遇したとき、完璧主義者は、相手にたいして不満を抱くことでしょう。
たとえば小麦に含まれているグルテンというタンパク質は、リーキーガット症候群を引き起こす原因になるとされています。
つまり腸の健康のためには、グルテンを好んで摂取しないほうが良いわけです。
巷にはグルテンフリーを謳う商品が存在する。
多くの人は「ときどきなら小麦を食べてもOK」だと考えますが、完璧主義者は100か0かの世界で生きているため、腸に炎症を引き起こすグルテンについても「一切食べない」道を選択します。
そして、小麦製品を食べる他者に「食べないほうが良いよ」と余計なおせっかいを焼き、人々を困惑させます。
ここまでが、「他人に厳しい」とされる完璧主義者の実態です。
完璧主義者は自信がない
意外に思うかもしれませんが、完璧主義な人というのはたいてい、自分にたいして自信がありません。
ゆえに物事を中途半端に行い、周囲から、
- 怒られる
- 否定される
- 価値がないと思われる
ことを、完璧主義者は恐れている可能性があります。
つまり、完璧主義者があらゆる物事を完璧にこなそうとするのは、根底に不安が横たわっているからだ、ということです。
自分そのものの価値をじゅうぶんに感じられていないため、目に見える行為を完璧にこなし、他者に非難されないよう努力します。
他者に非難されてしまったら、自己肯定感がますます低下し、自己嫌悪に陥ってしまう恐れがあるからです。
完璧さの裏側には不安が潜んでいる、という前提でもう少し話を進めます。
ルーズな人間が羨ましい
完璧主義者の中には、生きづらさを感じている人が少なくありません。
その証拠に、完璧主義という言葉とセットでよく検索されているのは「つらい」というワードです。
少なくない完璧主義者たちは自身の性格について「つらい」と感じており、完璧主義を「やめたい」と願っているのです。
だからこそ、物事をテキトーに片付けてしまういい加減な人間を、完璧主義者は心の奥底で羨んでいます。
ルーズな彼/彼女らからは、他者にたいする「怯え」が感じられません。
仕事や家事をいい加減にこなしても平気でいられることを、完璧主義者は羨み、嫉妬します。
なぜなら完璧主義者も彼/彼女らとおなじように、他者の評価や非難に怯えることなく過ごしたいからです。
物事を完璧にこなすのは大変で疲れる。
自分が変われないなら他人を変えれば良い
とはいえ、自信というのはそう簡単に持てるものではありません。
つまり、完璧主義を卒業するのは容易くない、ということです。
自分が変われないのだとしたら、そう、他人を変えてしまえば良いのです。
そこで完璧主義者は、他人にたいして厳しく接し、自らとおなじ完璧さを要求します。
作業がルーズな人間を注意し、ときには叱り、完璧にやらせようとします。
なぜなら、ルーズな人間を見ていると完璧主義者は落ち着かないからです。
貧乏人の目の前にお金持ちがいるようなもの。羨ましい。見たくない。自尊心が低下するから。
まとめ
完璧主義者が人に厳しい理由についてお伝えしてきました。
完璧主義者というのは、たいてい心の奥底に不安を抱えています。
物事を完璧にこなさなければ自分には価値がないのではないか、という不安です。
だからこそ仕事や家事、勉強などあらゆることにおいて完璧さを求めます。
一見すると完璧主義者は「ストイックな人」ですが、ストイックさの裏側には、不安や危機感といった感情が潜んでいます。
完璧主義者が周囲の人間にまでおなじように完璧さを要求してくるのは、周囲を自分側に引き込み、安心したいからだといえるでしょう。
なぜなら完璧主義者は、自分に自信がなく、いつでも不安だからです。
以上、完璧主義者が人に厳しい理由でした。
結論。ルーズな人間が羨ましい。でも、自分は変われない。だったら他人に厳しく接し、完璧にやらせれば良い。だから完璧主義者は人に厳しい。
【参考文献】
堀田秀吾『科学的に自分を変える39の方法』クロスメディア・パブリッシング、2019年
完璧主義をやめる方法はこちらです。