良い懐疑主義者になりたい人へ向けた本です。
人生において無駄なお金や時間を使わず過ごすためには、科学者のように物事を考える「懐疑主義者になるべきだ」と著者はいいます。
この記事では、ガイ・P・ハリソン著『Think 疑え!』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『Think 疑え!』の要約と感想
まずは本書の要約から。
懐疑主義とは、健全なレベルの疑いを抱き、推論を用いて「事実だと思えるもの」と「事実でないと思われるもの」を見極めることである。
懐疑主義は、この世界をうまく渡るための強力な武器だ。
誰かに頼るのではなく、自分自身を頼りにしよう。
懐疑主義者になるコツをはじめ、物事を疑う実例、脳に良い生活習慣などについて解説する。
以上がおもな内容です。
貴重な人生をくだらない思い込みで台無しにしたくない方に本書はおすすめです。
懐疑主義のすすめ
「懐疑主義者になること」を著者はわれわれに勧めています。
なぜなら、世の中をうまく生き抜くためには、科学者のように考えることが不可欠だからです。
たとえば、ブルーベリーを例に考えてみます。
ブルーベリーといえば「食べると目に良い」と思っている方が多いのではないでしょうか。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンという成分が目に良いとされている。
だからこそ、疲れ目を癒すためにせっせとブルーベリージュースを飲んだり、アントシアニンをサプリメントで摂取している人も世の中には存在します。
ところで、そもそもブルーベリーは、ほんとうに目の健康維持に役立つものなのでしょうか?
「テレビでそう言っていたから」という理由だけで信じてしまうのは、危険です。
なぜなら、他人の意見を鵜呑みにしてしまっているからです。
「本当にそうなのか?」という疑問を持ち、ブルーベリーに関する研究結果を調べてみれば、ジャムやジュースにする過程で多くのアントシアニン(目に良いとされる栄養素)が失われることはすぐわかります。
つまり、ブルーベリージュースやブルーベリージャムを摂取しても、目の健康維持にはほとんど役に立たない、ということです。
ブルーベリーの例は本書に載っているものではない。懐疑主義の説明として本記事で用いた。
- 保険に加入するのは当然
- 賃貸に住みつづけるのは損
- 白米より玄米のほうが体に良い
- コゲを食べるとガンになる
など、世の中にはさまざまな情報があり、私たちはこれらの情報を本当だと思い込んでいます。
が、これらはすべて事実なのでしょうか。
一度も疑ったことがないとしたら、本書を読む意義があるといえるでしょう。
UFOや幽霊、超能力は存在する?
本書がユニークなのは、著者が自ら「懐疑主義者の頭のなか」をわれわれに見せてくれている点にあります。
多くのアメリカ人が信じている、
- UFO(ロズウェル事件)
- 幽霊
- ビッグフット
- 超能力
- 陰謀論
- 占星術
- 奇跡
- 月面着陸捏造説
- バミューダ・トライアングル
などに関し、これれが事実なのかどうか、懐疑主義を用いて著者は論じていました。
これらはアメリカ人にとって馴染みのある現象や都市伝説ですが、私たち日本人にとっては「なにそれ」といったものも多く含まれています。
ロズウェル事件を知っている日本人などごく一部。
もちろんわれわれが読んでも理解できますが、もともとの疑惑や事件を知っている人物(つまりアメリカ人)のほうがいっそう本書を楽しめるのは事実でしょう。
翻訳書ならではのデメリットだといえそうです。
なお本書は、これらの事件や疑惑にたいする記述に多くのページが割かれています。
まとめ
本書はおもに、
- 懐疑主義のメリット
- 懐疑主義の実例(これが大半)
- 脳をフル活用する生活習慣
という構成になっています。
バミューダ・トライアングルやビッグフットに関する記述は読んでいて退屈かもしれませんが、それでも全体としては有意義な本だといえます。
なぜなら、懐疑主義者になるための方法やコツがわかりやすく述べられているからです。
- 昼寝
- 読書
- 学習
- 運動
- 睡眠
など、われわれの脳をじゅうぶん働かせ、物事を懐疑的にとらえる方法を本書から学べます。
この世の中には、なんの証拠もない主張をあなたに信じこませ、お金を巻き上げようとしている人間がそこかしこに存在しています。
さまざまな情報が事実なのか嘘なのかを見破り、自らの財産や健康を守れるのは、あなた自身だけです。
ぜひ良い懐疑主義者となり、さまざまな物事を疑ってみてはいかがでしょうか。
以上、ガイ・P・ハリソン著『Think 疑え!』の要約と感想でした。
結論。懐疑主義のススメ。金儲けを目論む他人に騙されないためには、疑うことだ。コイツのレビューは参考になるのかと、まずはこの記事を疑うことだ。