【注意】自らの「うつ病」をネタにブログを書くリスク

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うつ病を患っていること、あるいは抑うつ状態であることを公表し、ブログを書いている人が世の中にはいます。

 

こうしたうつ病ブロガーは、ブログのタイトルを「〜のうつ病闘病記」などとし、自らが精神疾患を患っていることをアピールしがちです。

 

ただ、 もしほんとうに抑うつ状態にあるのなら、病気をブログのネタにしないほうが良いでしょう

理由は以下で詳しく書いていきます。

 

この記事では、

  • うつ病ブログは注目されやすい
  • 目標は「うつ病の寛解」ではないのか

など、「うつ病をネタにしてブログを書くリスク」をわかりやすく解説します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

うつ病をネタにしてブログを書くリスク

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うつ病や抑うつ状態にあることを公表し、日々の生活や、精神状態についてブログに書き綴る人がいます。

 

この手の「うつ病ブログ」はすぐ注目され、多くの読者を獲得しやすい傾向にあります。

なぜなら、おなじようにメンタルの不調に悩む人が、この世の中にはたくさん存在するからです。

 

「うつ病と闘っています」というメッセージを発するブロガーにたいし、おなじような境遇にあるブロガーや、精神疾患を経験したことのあるブロガーが共鳴し、応援の意味をこめて読者登録したり、コメントを書いたりするわけです。

 

ただしここに、うつ病ブログの落とし穴があります。

 

精神疾患から抜け出せなくなる?

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精神科医であり、心理学者でもあったアドラーは、「患者が症状をどのように使っているかを決して見落とすな」と述べています。

 

というのも、アドラー心理学では精神疾患を、敗北への不安から生じるものだと考えているからです。

劣等感からの逃避。

 

たとえばここに、ひとりの女性がいるとします。

彼女は周囲から愛されること、注目されることを望んでいますが、家族をはじめ、誰も自分に関心を払ってくれません。

ゆえに彼女は、現状に満足できずにいます。

 

かといって彼女は、愛されるための秘策を持っているわけでもありません。

つまり、この女性はどうしようもない敗北感を味わってるわけです。

 

そこで彼女は(無意識のうちに)精神疾患という選択をし、実際に、メンタルに不調をきたします。

緊張状態にあればすぐにでも精神や肉体に障害が生まれる、とアドラーは指摘。

 

具合が悪くなった彼女を心配した家族は、彼女にたいし、これまでより関心を向けるようになります。

 

ブログでますます注目される

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医療機関を受診し、うつ病や抑うつ状態と医師に診断された女性が、ブログを始めたとします。

 

彼女は「注目されたい、愛されたい」という欲求を満たすために、精神疾患をテーマとした記事を書き、多くのユーザーに自らへ関心を向けさせます。

ブログを読んだ読者から反応があったり、コメントをもらえたり、読者登録してもらたりしたら、彼女は嬉しいに違いありません。

 

なぜなら、心の奥底には「注目されたい、愛されたい」という強い思いが横たわっており、ブログを通してその願望を叶えられているからです。

 

ただ残念なことに、ネット上の人々が関心を持っているのは、うつ病や抑うつ状態にあるブロガーです。

精神状態が回復したり、うつ病が寛解したりして元気になってしまえば、このブロガーにたいする周囲の興味は薄れてしまうことでしょう。

 

すっかり元気になり「海外旅行を満喫しています」といった記事を投稿したところで、読んでくれる読者はほんの一握りです。

なぜなら、周囲が関心を寄せていたのは「うつ病」であり、「患者本人」ではないからです。

 

その頃にはブログ界隈に新たなうつ病ブロガーが登場し、それら新米うつブロガーが注目を浴びているはずです。

寛解した元うつ病ブロガーがかつてほどのアクセス数を稼ぐのは、難しいに違いありません。

 

 

うつ病である自分に価値がある

もっとも危ういのは、「うつ病の自分」に価値があることを認識しているブロガーです。

なぜなら、うつが寛解するということは、(ブロガーとしての)価値が低下することを意味しているとわかっているからです。

 

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したがって、注目されている現状を維持するために、うつ状態から抜け出そうとしない、という悪循環に陥る恐れがあるといえます。

うつを脱した人物の日常は、ただの「知らない誰かの日記」でしかなく、誰も読みたいとは思わないからです。

 

ここでもう一度、アドラーの言葉をご紹介します。

患者が症状をどのように使っているかを決して見落とすな

 

うつ病を題材にしてブログを開設する人物は、

  1. うつ病や抑うつ状態を
  2. 周囲の注意関心を引くために使っている

このようにいえるでしょう。

そして「うつ病ブログ」はたいていそれなりに成功します。

それなりに成功するからこそ、厄介なのです。

 

理由は先述のとおりで、その成功は「うつ病の自分」だからこそ為し得たものだからです。

結果として本人は、ブログによって注目される心地良さを知り、精神疾患を脱することができなくなってしまうのではないでしょうか。

 

あるいは、時間とともにブログで注目されなくなり、ますます精神を病んでしまう恐れもあります。

うつ病ブログは群雄割拠なので。勝ち続けるのは難しい。

 

希死念慮を抱いた患者が、自殺してしまうこともあるのがうつ病です。

そんなうつ病を「ブログのメインテーマ」に据えるのは、やめておいたほうが良いでしょう。

 

もし「うつ病のツラさをみんなに知ってほしい」という使命感に駆られているとしても、あなたが行う必要はありません。

というのも、うつ病の辛さ、大変さを綴ったブログはこの世にゴマンと存在するからです。

 

精神疾患を引っさげ、意気揚々とブログに手を出すのは、控えておくのが吉です。

 

まとめ

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うつ病をネタにしてブログを書くリスクをお伝えしてきました。

 

うつ病ブログを始めると、病気からの回復に支障が出る恐れがある、というのがおもなメッセージです。 

なぜなら、「うつ病だとみんなに注目してもらえる」という安易な快感を、ブログから得てしまいかねないからです。

 

もちろん、うつ病や抑うつ状態であることを自ら否定する必要はありません。

「今の状態でも良い」と受け入れられるなら、そのほうが精神衛生上良いでしょう。

 

ただし、精神的異常のない状態を否定してしまうと危険です。

なぜなら、「回復しよう」という意欲が本人からなくなってしまうからです。

 

うつ病の治療で重要なのは、

  1. 休養すること
  2. 薬を服用すること

この2つだとされています。

「うつ病ブログを開設すること」は含まれていませんので、ご注意ください。

 

以上、うつ病をネタにしてブログを書くリスクでした。

結論。「注目されたい、愛されたい」という欲求はブログではない他の形で叶えるべき。うつ病である状態に価値を見出す必要はない。

 

【参考文献】

アルフレッド・アドラー『なぜ心は病むのか いつも不安なひとの心理』興陽館、2019年

 

www.shortshortshort.jp

うつ病についてはこちらの本がおすすめです。 

うつ病は治る」という著者の心強いメッセージに触れれば、気持ちが少し軽くなるかもしれません。

 

www.shortshortshort.jp

アドラー心理学についてはこちらの本をどうぞ。 

内容の専門性はやや高めです。