『年収100万円で生きる 格差都市・東京の肉声』の要約と感想

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日刊SPA!で公開された「年収100万円」シリーズを書籍化したのが本書です。

もはや下流はマイノリティではなく、日本にいるおよそ6人に1人が相対的貧困状態にあるといいます。

 

誰にとっても他人事ではない「貧困問題」について考えるきっかけになるでしょう。

 

この記事では、吉川ばんび著『年収100万円で生きる 格差都市・東京の肉声』の要約と感想をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

『年収100万円で生きる 格差都市・東京の肉声』の要約と感想

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まずは本書の要約から。

 

貧困問題を、あなたは他人事だと思うかもしれない。

だが、想定外の事態が起き、収支バランスが大きく崩れるリスクは誰にでもある。

つまり、貧困問題はけっして他人事ではないのだ

 

トランクルームで暮らす44歳の男性、30万円で買った軽自動車に済む52歳の男性、新型コロナウイルスで失職した44歳男性など、東京で暮らす16人の叫びをまとめたノンフィクションである。

 

以上がおもな内容です。

本書は、貧乏人を好奇の目に晒すために書かれた本ではありません。

貧困は自己責任などではない」という著者の強いメッセージが伝わってくる、熱量のこもった一冊です。

 

 「貧困は自己責任などではない」が最大のメッセージ

吉川ばんび氏が本書を通してもっとも伝えたいのは、「貧困は自己責任などではない」というメッセージでしょう。

貧困について著者は、「社会構造的要因であることがほとんどである」と指摘しています。

 

たとえば、家庭に問題を抱えている人たちを支援する公的制度が日本にない点を、著者は批判しています。

金銭の略奪や暴力被害があっても、「家庭の問題は、たとえ犯罪行為であっても家庭内で解決すること」を強いており、警察はほとんど関与してくれないと吉川氏は述べていました。

 

ピラミッドの底辺に位置しているのが、貧困層です。

貧困層の人々が社会制度や格差にたいして声を上げたとしても、おなじ下層の人間が「貧困は自己責任だろう」と責め、声を揉み消します。

 

かくして、ピラミッド上部に位置する富裕層たちは、自分たちに都合の良い社会的構造をキープできる、というわけです。

ピラミッド上層部にとってこれほど都合の良いことはない。

 

災害や病気、家族の借金など、私たちもいつ「貧困層」の仲間入りをするかわかりません。 

自らが貧困層となったとき、ほんとうに「お金がない現状は自己責任だから仕方がない」といえるでしょうか。

 

貧困はほんとうに自己責任なのかを確かめるべく、本書を読み、東京で生きる16人の物語に触れてみるのも悪くないはずです。

 

 

本書を読むとどんな気分になるか

貧困に苦しむ16名へ取材をし、これまでの経緯や現状をまとめてあるのが本書です。  

 

絶望的な状況で生きる人たちについて知るにつれ、だんだんと暗い気分になってくる読者もいることでしょう。

彼/彼女らの気持ちに思いを馳せると、やるせない気分になってきます。

 

いっぽうで、「自分よりもっと下がいる」と知り、安心する読者もいるでしょう。

吉川氏が意図した反応ではないでしょうが、これも素直な感情です。

 

ただ、多くの読者に共通していえるのは、

  • 散財を控えよう
  • 借金を作らないようにしよう
  • 真面目に仕事をしよう
  • できるだけ貯金をしよう
  • 健康に気をつけて生きよう

といった「慎ましい気持ちが持てるだろう」ということです。

 

貧困問題が自己責任ではないとしたら、どのように気をつけていても、貧困に陥るときには陥るわけです。 

つまり、貧困に陥っていない現状は恵まれている、と感謝の気持ちを持てるに違いありません。

がんを発症するリスクは誰にでもあり、自己責任ではないのとおなじ。がんと宣告されていない現状はラッキーなだけ。

 

新型コロナウイルスの影響で失職した44歳の元ホテル従業員を、誰が「自己責任だ」などと責められるでしょうか。

明日は我が身、そんな気持ちになります。

 

まとめ

あなたが本書を読むメリットは、

  1. 貧困問題について知れる
  2. お金を貯めようという気持ちになれる

おもにこの2点です。

 

「貧困問題について知れること」がなぜメリットかといえば、知っておいて損はないからです。

われわれは、いつ貧困に直面してもおかしくありません。

自然災害、事件、事故、病気、会社の倒産、パンデミック等。

 

本書のなかで著者は「貧すれば鈍する」という言葉を使っていました。

追い詰められ、精神的余裕を失った人間は、物事を正しく判断できなくなってしまう恐れがあります。

 

であれば、貧困について考えるのは「今」しかありません

なぜなら、まだ貧しておらず、鈍していないからです。

 

ぜひ貧する前に本書を読み、鈍する前にご自身の頭であれこれ考えておくことをおすすめします。

とりわけ、どのラインに達したら社会的補助を求めるべきかについて、考えておいて損はなさそうです。

 

以上、吉川ばんび著『年収100万円で生きる 格差都市・東京の肉声』の要約と感想でした。

結論。貧困問題について知れる本。ただお金がない人たちを並べて紹介しているだけではない。著者のメッセージが込められている。

 

www.shortshortshort.jp

節約と貯金が大事だよ。お金は大事だよ」というメッセージに触れたい方には、与沢翼によるこちらの本もおすすめです。 

堅実なアドバイスが書かれている良書です。