肩甲骨は閉じず、寄せず、開いて使うのが正解だといいます。
肩甲骨を開く方法、すなわち立甲の方法が、カラーの写真つきで解説してある本です。
この記事では、柴雅仁著『肩甲骨は閉じない、寄せない、開いて使う!体幹が安定して動けるカラダに変わる』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『肩甲骨は閉じない、寄せない、開いて使う!体幹が安定して動けるカラダに変わる』の要約と感想
まずは本書の要約から。
肩甲骨を開くとは、肩甲骨を肋骨から離すことをいう。
肩甲骨と肋骨を分離させて動かすメリットは、肩関節や胸郭の可動域が広がることだ。
肩甲骨を開く(立甲を行う)ためには、前鋸筋というインナーマッスルを鍛えねばならない。
立甲ができるようになるまで、1ヶ月程度かかるだろう。
肩甲骨を開いて使うためのプログラムをカラーの写真付きで解説する。
以上がおもな内容です。
肩甲骨の可動域を広げたい方、「立甲」に興味がある方に本書はおすすめです。
カラーの写真付きで解説がわかりやすい
肩甲骨を開くのは、どうやら簡単ではないようです。
前鋸筋というインナーマッスルを鍛えねばならず、立甲(肩甲骨を開くこと)ができるようになるまで、およそ1ヶ月程度のトレーニング期間が必要だと著者はいいます。
トレーニングはすべてカラーの写真つきで紹介されており、やり方を理解しやすいのが本書の長所だといえるでしょう。
写真やイラストをほとんど用いることなく、文章のみで立甲の説明を試みている本も世の中には存在します。
ビジュアルの補足がない本にくらべて、カラーの写真がたっぷり載っている本書は、わかりやすさ抜群です。
前鋸筋を鍛えると肩甲骨を外転させられるようになり、肋骨から剥がして使えるようになるといいます。
肩甲骨を開くメリットは、肩を安定したポジションで使えるようになることです。
スポーツをしている方にとって、肩甲骨を開いて使えるアドバンテージは大きいに違いありません。
パフォーマンス向上に直結する。
肩こりや首の痛みを防ぐためにも
あなたがスポーツに取り組んでいないとしても、肩甲骨を開くメリットは存在します。
なぜなら、肩甲骨を開いて肩が安定することで、
- 肩こり
- 首の痛み
などを防ぐ効果に期待できるからです。
デスクワークをしているビジネスパーソンと、肩こりや首の痛みは、切っても切れない関係にあります。
良い姿勢を意識し、肩甲骨を寄せてパソコンに向かっている方もいるのではないでしょうか。
著者は「肩甲骨は寄せないほうが良い」と指摘しています。
なぜなら、肩甲骨を寄せると肩をすくめた状態になりやすく、首や肩が凝ってしまうからです。
肩甲骨を寄せると肩が不安定になり、肩の上にある首を痛めるリスクも高まるといいます。
肩甲骨を開き、正しい位置で使うために欠かせないのが、インナーマッスルである前鋸筋です。
本書にしたがって前鋸筋を鍛え、肩や肩甲骨を理想的なポジションで使えるようになれば、肩こりや首の痛みとはサヨナラできるかもしれません。
前鋸筋には横隔膜の補助的な役割があるため、前鋸筋を鍛えることでふだんの呼吸が深くなるといいます。
深い呼吸は、疲労の予防やリラックス効果といった恩恵をもたらします。
肩甲骨を開くと、良いことづくめです。
まとめ
カラーの写真が豊富で、肩甲骨の開き方(立甲のやり方)がわかりやすく紹介されている本でした。
上ではメリットをお伝えしましたので、最後に本書のデメリットをお伝えします。
この本の短所は、プログラムの内容が多いことです。
「肩甲骨を開くためのプログラム」がドッサリ載っている、ということです。
プログラムの多さは、それだけ肩甲骨を開くのが難しいことの裏返しなのかもしれません。
毎日このエクササイズを続けるだけで肩甲骨を開いて使えるようになる、といった簡便な方法が載っているわけではありませんので、ご注意ください。
本書に載っているトレーニングをいくつか試してみたところ、ふだんは使っていない筋肉を動かしている感覚が得られました。
ほとんど稼働していなかった筋肉を使ってみると、なかなか気持ちが良いものです。
スポーツのパフォーマンス向上だけでなく、肩こりや首の痛みを改善するために肩甲骨を開くよう努力するのも、悪くなさそうです。
以上、柴雅仁著『肩甲骨は閉じない、寄せない、開いて使う!体幹が安定して動けるカラダに変わる』の要約と感想でした。
結論。肩甲骨の正しい使い方の説明書、みたいな本。肩こりや首の痛みは、肩甲骨の使い方に問題があるのかも。ディーゼル車にレギュラーガソリンを給油するとぶっ壊れるように、肩甲骨も使い方を間違えると、残念なことになる。