『武器としての言葉の力』の要約と感想

文豪たちから最強の表現力や生きる作法を学ぶこと、をテーマにした本です。

が、著者がなにを伝えたかったのか、いまいち理解できませんでした。

 

一言でいえば本書は、名言がほとんど載っていない名言集みたいな本、です。 

麺がほとんど入っていないラーメンのようなもので、価値がないといえるでしょう。

 

この記事では、柏耕一著『武器としての言葉の力』の要約と感想をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

『武器としての言葉の力』の要約と感想

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まずは本書の要約から。

 

さまざまな作家の文章を引用、紹介している。

ページの右側には引用した文章が、左側には著者の解説文が載っている、見開き1ページで完結するスタイル。

 

人間がよくわかる言葉、究極の表現力から学ぶ日本語、言葉の使い方で世間は広くなる、自分を最高に成長させる言葉、といった章立て。

文豪たちから、最強の表現力と生きる作法を学ぶための本である。 

 

以上がおもな内容です。

本書に読む価値があるかないかといえば、答えは間違いなく「ない」です。

なぜ本書に読む価値がないといえるのか、以下でお伝えします。

 

著者のメッセージが不明

著者がなにを伝えたいのか、本書を読んでいてもわかりません。

なぜなら、著者の解説はほんとうにただの「解説」だからです。

 

ページの右側に文豪の文章が引用されており、ページの左側に著者の解説が載っていました。

この解説では、文章の引用元である小説について、その概要が述べられています。

 

つまり本書には、小説の概要とその小説から抜き出した一文が載っているだけだ、ということです。

読者としては「だからなに?」ってなもんです。

 

解説には、

  • なぜその文章を引用したのか
  • その文章がどのように優れているのか

こうした著者の意見を含めるべきではないでしょうか。

ただ小説から一文を抜き出し、ただあらすじを紹介するだけの本だったら、誰にでも書けます。

 

  • 最強の表現力
  • 生きる作法
  • 言葉の多様性とその及ぼす力

著者はこれらのメッセージを読者へ届けたかったようですが、本書の内容では無理があります。

 

ふたたびラーメンで例えるなら、ラーメンの写真が載っていて、それからラーメンの具材や成分が載っているだけの本、みたいなものです。

これで「ラーメンの素晴らしさを感じて欲しい」って、無茶です。

 

なぜそのラーメンを選出したのか、そのラーメンはどのように優れているのか、解説が書かれていないからです。

これほど無価値なラーメン紹介ブックは世の中に存在しないでしょうが、無価値な名言紹介ブックなら、ここに存在しています。

 

 

本書はたぶん手抜き

ページの右側には、引用された小説家たちの文章が大きく載っています。

がしかし、解説では「どこが優れているのか」が書かれていませんし、実際のところ、それほど優れた表現だとは思えない文章もチラホラ載っていました。

 

たとえば、夏目漱石の『こころ』という小説を手に取り、テキトーにページを開いたとします

パッと目に入った文章を引用し、反対側のページには『こころ』のあらすじを記します。

 

つづいて太宰治の『走れメロス』を手に取り、テキトーにページを開き、夏目漱石『こころ』のときとおなじ作業を行います。

これを、三島由紀夫、島崎藤村、永井荷風、宮沢賢治などの小説で行っていけば、おそらく本書とおなじか、もう少しクオリティの高い本が作れることでしょう。

 

あとがきにて、「読者の人生に気づきと知的喜びを与えるものと確信している」と著者は述べていました。

著者の確信はまったくもって的外れで、実際のところ、読者にたいし本書はなにも与えられていません。

ただしストレスを除く。

 

  1. 人間がよくわかる言葉
  2. 究極の表現力から学ぶ日本語
  3. 言葉の使い方で世間は広くなる
  4. 自分を最高に成長させる言葉

これらの章立ても、あって無いようなものです。

内容はそのままに章の順番だけひっくり返しても、なんら違和感はないでしょう。

 

まとめ

『武器としての言葉の力』を読んでも、われわれが武器を得ることはできません。 

 

むしろ、購入代金をドブに捨てさせ、 時間を浪費させ、読者に精神的ダメージを与える本書そのものが、凶悪な武器です。

 

以上、柏耕一著『武器としての言葉の力』の要約と感想でした。

結論。 駄本。

 

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作家の名言集に興味のある方には、こちら『オスカー・ワイルドに学ぶ人生の教訓』という本がおすすめです。

 

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ゲーテの名言を集めたこちらの本も読んでみてはいかがでしょうか。