日本電産のトップである永守重信氏による著書です。
1ページにつき1項目とテンポ良く著者の考えが記されており、スラスラと読むことができます。
永守氏の経営哲学を学びたい方に本書はおすすめです。
この記事では、永守重信著『情熱・熱意・執念の経営 すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『情熱・熱意・執念の経営 すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!』の要約と感想
まずは本書の要約から。
日本電産グループを一代で築き上げたのが永守重信である。
なぜ彼は365日働きつづけているのか。
なぜ彼は経営を多角化せず、モーター事業にこだわるのか。
良い人材とは何か、人材育成はどのように行うべきか。
「夢を形にするのが経営だ」と語る永守氏が、夢を形にするための要諦を語る。
以上がおもな内容です。
人材育成について多く書かれているため、経営者や管理職の方にとって本書は参考になるのではないでしょうか。
「すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!」という彼の熱意、ポリシーに共感したビジネスパーソンの方も、ぜひ本書を読んでみてください。
「出来る、出来る、出来る」と500回唱えつづけるなど、ユニークな精神論を学べます。
読みやすい構成が良い
経営に関する本ですが、けっしてとっつきにくくはありません。
本書が良いのは、1ページにつき1つのテーマを扱っている点です。
各ページごとに見出しがあり、その見出しに沿った内容が書かれています。
たとえば、見出しに「一意専心の精神」と書かれていて、つづけて一意専心にこだわる永守氏の考えが記されている、といった具合です。
永守氏はモーター事業(回るもの、動くもの)にこだわっていて、多角化はしない考え。
1ページにつき1つの主張ですので、著者が訴えたいことがわかりやすく、すんなり理解できます。
見出しを見ただけで「これからこのテーマについて解説するんだな」と、受け入れ態勢を整えられるからです。
ダラダラと経営論がつづくのではなく、1ページごとにズバスバと区切ってある点が、読みやすく、読者を飽きさせず、良いといえます。
やる気のある人間を採用する
本書はおもに「人材」について書かれています。
というのも、会社を経営する上で「人材」はもっとも重要な要素だからです。
「一人の社員の百歩に頼るのではなく、百人の社員に地道に一歩ずつ進んでもらうべき」だと著者は考えており、すべての社員を等しく教育し、成長させようとしています。
少数のエリート社員に頼るべきではない、ということです。
そして人材の採用時には、やる気や意識の高い人間を採用する、と永守氏はいいます。
なぜなら「人間の能力には大差がない。だが、やる気、意欲、意識の差は100倍の開きがあるから」だそうです。
放任主義の家庭で育った女性は採用しない。自分勝手な言動が目立ち、団体生活には適さないから、といった、偏見とも取れる考えも記されていました。
実際に放任主義の家庭で育った女性がワガママかどうかはさておき、永守氏のこうした(一歩踏みこんだ)考えまで知れる点において、本書には価値があるといえます。
なぜ放任主義の家庭で育った「女性」と性別を限定しているのかは不明だが。
まとめ
本書を読んでいてわかるのは、永守氏がモーレツな仕事人間だということです。
彼は元日の午前中を除き、365日、睡眠と食事、入浴以外は休みなく働いているといいます。
ですが、それでもまだ「時間が足りない」と永守氏は語っていました。
「他社が8時間働いているのであれば、われわれは倍の16時間働き、納期を半分にしよう」といった、倍と半分の法則なるものも紹介されています。
とにかく、仕事、仕事、仕事という彼の姿勢は、ワークライフバランスという言葉が浸透している現代において、もはや前時代的だといえるでしょう。
ただ、「仕事だけでなくプライベートも充実させよう」といった考えが流行っているいまだからこそ、むしろ、本書を読む価値があるのかもしれません。
なぜなら、「仕事に打ち込む生き方もあるよ」と教えてもらえるからです。
やりたいことをやっていると語る永守氏は、毎日が充実し、楽しくて仕方がないそうです。
なるほど、やりたいことを仕事にできれば、ワークライフバランスなど考える必要はないのかもしれません。
彼の人生はワークワークワーク。アンバランス。だけどその結果、総資産4000〜5000億円。
そもそも「ワークライフバランス」という言葉には「仕事が楽しくない、辛い」というニュアンスが含まれているように感じます。
本書を読み、「仕事」について考えてみてはいかがでしょうか。
以上、永守重信著『情熱・熱意・執念の経営 すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!』の要約と感想でした。
結論。ワークライフバランスなんぞクソ食らえ。仕事が一番だ、ってな方におすすめの本。人材を育成する立場にいる方にとっても参考になる。
経営に興味のある方は、松下幸之助によるこちらの書籍もおすすめです。
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