日本国内で中国人が経営している中華料理店のなかには、「当店は国産米を使用しています」とアピールしている店があります。
これほど紛らわしい表記はありません。
なぜなら、彼らがいう「国産米」が果たして日本米なのか、中国米なのかが判別できないからです。
日本で中国人が経営している中華料理店における「国産米」とは、日本のお米を指しているのでしょうか。
それとも、中国人にとっての自国、すなわち中国で獲れた中国産のお米を指しているのでしょうか。
この記事では、
- 日本人にとって国語は日本語
- イギリス人の国語は英語
など、「日本にある中華料理店の国産米使用ってつまりどこの米なんだ」という疑問について書きました。
ぜひ参考にしてみてください。
日本にある中華料理店の「国産米使用」ってつまりどこの米?
私たちにとって、「国産=日本産」です。
なぜなら、私たちが日本人だからです。
小学校や中学校において日本語を「国語」と呼んで学ぶのも、私たちが日本人だからです。
イギリス人にとっての国語は英語ですし、スペイン人にとっての国語はスペイン語ですし、中国人にとっての国語は中国語です。
では、日本で中華料理店を経営している中国人にとっての「国産米」とは、いったいどこで獲れたお米を指すのでしょうか。
あなたが「国産=日本産」だと考えているなら、それは固定観念に囚われている証拠です。
なぜなら、国産という言葉は、「誰が使っているか」によって意味が変わってくるからです。
「国産」は相対的な言葉であって、絶対的な言葉ではありません。
中国産の米もあり得る
横浜や長崎にある中華街には、たくさんの中華料理店が並んでいます。
いずれも中国人が経営している店舗がほとんどで、接客から調理にいたるまで、すべて中国人が行います。
厨房では中国語が飛び交っており、店内にいるとまるで中国へ旅行に来たかのような気分になります。
ところで、中華料理店の入り口に「国産米使用」という張り紙がしてあったとします。
「国産米=日本米」だと考えるのは早計です。
なぜなら、中国人にとって自国は中国であり、彼らが使う国産米という言葉は、中国産のコメを指している可能性があるからです。
「どこのお米ですか?」と店員に質問すれば、
「日本ノ米ニキマッテルアルヨ」
といわれそうな気もしますし、
「ワタシノクニ、中国ネ。ダカラ国産米ハ中国ノ米アルヨ」
といわれそうな気もします。
「国産米=日本米」というわれわれ日本人の先入観を突いた、中国人の賢いビジネスなのかもしれない、ということです。
国産米は日本米に決まっている?
「国産米は日本米に決まっている。なぜなら、もし中国産の米を料理に使っているなら、わざわざ張り紙でアピールなどしないからだ」
このように考える方がいるかもしれません。
がしかし、上のような考えは、固定観念に囚われている典型です。
というのも、日本のコメのほうが中国のコメよりも高品質で安心だ、という考えが、すでに日本人的思考だからです。
われわれとおなじように中国人もまた、中国のコメこそ高品質で美味なのだ、と考えていても不思議ではありあせん。
人間誰しも、自らの生まれ育った国を贔屓したくなります。
ゆえに、自信満々で「国産米(中国で獲れたコメ)使用」とアピールしている可能性はじゅうぶん考えられます。
あるいは、このような思想を建前にして、安い中国米を使用し、「国産米」と表記している可能性もあります。
つまり確信犯です。
もし日本人の客に「国産米とはどこの米か」と聞かれたら、「中国ノ米アルヨ。中華料理ニハ中国ノ米ピッタリネ」ってなもんです。
まとめ
日本にある中華料理店の「国産米使用」とはどこの米なのか、についてお伝えしてきました。
もっとも重要なのは、「国産」が特定の国だけを指すわけではない、という事実です。
アメリカ人にとっての国産はアメリカ産ですし、イタリア人にとっての国産はイタリア産です。
ちょうど、「国語」の定義が国によってバラバラなのとおなじです。
実際のところ、 日本で中国人が経営している中華料理店における「国産米」が、どこの米を指しているのかはわかりません。
店ごとに違うのかもしれませんし、すべて中国米かもしれませんし、すべて日本産の米なのかもしれません。
「国産=日本産」だとする思い込みにはご注意ください。
思い込みはたいへん危険です。
以上、日本にある中華料理店の国産米使用ってつまりどこの米なんだ、でした。
結論。どこの米でも良い。思い込みに囚われるのは危険だ、というのが本記事の主旨。大企業の商品ならほんとうに安心なのか。高価な商品はほんとうに品質が高いのか。思い込みは誰かの「金儲け」に利用されかねない。
思い込みで損をしたくない方には、こんな本がおすすめです。