やめたいのにやめられない「悪い習慣」を絶つための技術を説いている本です。
やめられない行為の例がおもに「ストーカー」だったため、身近に感じられず、共感できませんでした。
- ついお菓子を食べちゃう
- ついスマホを触っちゃう
- ついベッドでゴロゴロしちゃう
といった習慣ならともかく、やめられない行為の例がストーカーとは、奇抜なチョイスです。
この記事では、小早川明子著『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』の要約と感想
まずは本書の要約から。
悪い習慣とは、やめたいのにやめられない習慣のことを指す。
悪い習慣をやめられないのは、意志が弱いからではない。
脳内で条件付け、条件反射が起こっているからだ。
精神科医・平井愼二医師が開発した「反射条件制御法」を使い、望まない癖や習慣をやめる方法を解説する。
以上がおもな内容です。
ストーカー行為がやめられなくて悩んでいる方には本書をおすすめします。
あなたがストーカー行為と無縁であれば、お金と時間を使って本書を読む必要はないでしょう。
悪い習慣の例がストーカー
本書で「悪い習慣」の例に挙げられているのは、ストーカー行為です。
(好きな人など)特定の人物につきまとう、あのストーカーです。
悪い習慣の例が、スナック菓子でも、SNSでも、ギャンブルでもないのは、著者の小早川氏がNPO法人の理事長をつとめており、おもにストーカー問題に向き合っているからでしょう。
ストーカーの心理など、本書ではストーカーに関する記述が散見されました。
小早川氏は自らの得意分野に持ちこむのではなく、読者の役に立つよう、もっとありふれた「悪い習慣」について取り上げるべきだったといえます。
なぜなら、「ストーカーがやめられないんだよなぁ」と悩んでいる人間が、間食やゲームをやめられずに悩んでいる人間よりも多いことは、ないからです。
どうしてもストーカーについて書きたかったのであれば、著者は本書のタイトルを『ストーカーをやめる技術』とすべきでした。
まるで、『ペットと生きる幸せ』という本を開いてみたら、ヘビを飼っている人のライフスタイルが載っていたかのようなズレを、本書には感じます。
一般的な悪い習慣に応用できそうか
ストーカーは置いておくとしても、本書の内容は「わかりやすい」とはいえません。
第一信号系、第二信号系といった、一般読者がイメージしにくい用語が頻出するからです。
わかりやすい言葉に置き換えることもなく、著者は終始「第一信号系」や「第二信号系」などの聞き慣れない言葉を使っています。
本書が「わかりやすさ」を優先していないことが、ここでも伺えます。
ちなみに、本書のおよそ半分は「悪い習慣を卒業した人たちの事例および感想」に割かれていました。
あなたが本書を読んだとしても、
- 二度寝しちゃう
- ポテチ食べちゃう
- 休日にダラダラしちゃう
といった悪い習慣を正すことはできないでしょう。
ただ、悪い習慣を脱した人たちの事例と、ストーカーの心理について知れるだけです。
まとめ
特殊な本でした。
- 悪い習慣の例がストーカー
- 後半すべて事例と感想
これらの要素が、本書を「普通ではない本」にしています。
くわえて第一信号系、第二信号系といった難解なワード(だけど頻出する)が、本書をますますわかりにくくしています。
あなたにストーカー癖があるなら、本書は役に立つかもしれません。
あなたにストーカー癖がなければ、本書を読む必要はありません。
以上、小早川明子著『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』の要約と感想でした。
結論。学びたいのに学べない。読者を置き去りにする書籍。
あなたのやめたい習慣が「間食」であれば、こちらの本がおすすめです。
ついお金を無駄遣いしてしまう方は、こちらの記事を読んでみてください。