日本では、年間100万人近くの人ががんになっているといいます。
毎日2700人が、がんを告知されている計算です。
日本人の2人に1人がかかる「がん」のリスクを下げる方法があるなら、知ってみたいと思いませんか?
この記事では、佐藤典宏著『手術件数1000件超の名医が教える がんにならないシンプルな習慣』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『手術件数1000件超の名医が教える がんにならないシンプルな習慣』の要約と感想
まずは本書の要約から。
がん予防のポイントは食生活にある。
たとえば、レトルト食品、調理パン、カップ麺といった超加工品は、がんのリスクを高めることがわかっている。
がんになりたくなければ超加工品の摂取を控えるべきだ。
食塩の摂取が多いと、胃がんのリスクが高まる。
イクラ、塩辛、練りうになどの塩蔵食品をよく食べる人は胃がんが多い。
がんにならない食生活、がんを宣告されたらどうするべきかなど、がんについて医師が幅広く解説する。
以上がおもな内容です。
がんになりたくない方は本書を読んでおくべきです。
なぜなら、がんのリスクを高める食品を口にしているかもしれないからです。
私たちがハムやソーセージを食べていたところで、誰も「それって発がん性が高いよ」とは指摘してくれません。
自ら学び、自ら気づき、自ら避けるしかないのです。
がんにならない習慣
本書には、がんのリスクを下げる生活習慣が載っています。
1000円ちょっとの書籍代を支払うだけで「がんにならない習慣」を教えてもらえるなら、安いものです。
がんにならない習慣を知れるのであれば、2000円、いや5000円支払っても惜しくないのではないでしょうか。
なぜなら、自らの寿命を買っているも同然だからです。
ところであなたは、加工肉(ハムやソーセージなど)や赤肉を好んで食べていませんか?
加工肉および赤肉は、大腸がんをはじめとしたさまざまながんのリスクを高めるといいます。
大腸がんのリスクを高めると知ってもなお、目玉焼きにベーコンを添えたいと思うでしょうか。
おなじくアルコールや、バターなどの飽和脂肪酸についても、本書にはネガティブな情報が載っていました。
いっぽうで、
- コーヒー
- ナッツ類
- 食物繊維
- ビタミン
- 発酵食品
- オリーブオイル
- オメガ3脂肪酸(魚など)
これらの食品や栄養素ががん予防に役立つ、といった情報も記されています。
発がんリスクを考えたときに、食べないほうが良いもの、食べたほうが良いものが明確です。
食事以外のがん予防法
食事以外にも、
- 運動
- 森林浴
- 座らない
- 歯周病予防
- ストレスを減らす
- 交通騒音の少ない場所に住む
といったがん予防策が紹介されていました。
なかでも、もっとも安上がりながん予防法は「座っている時間を減らすこと」だそうです。
座りすぎてがんになるくらいなら、立っていて脚が痛くなるほうがマシではないでしょうか。
なぜなら、脚が痛くなっても死にはしませんが、がんになったら死ぬ恐れがあるからです。
がん患者は自殺率が高い?
本書をとおして著者が伝えたいのは、がんにならない習慣だけではなさそうです。
その証拠に本書の冒頭では、
- がんは治る病気
- がんにたいする心構え
- がんをはね除けた人の共通点
など、がんになったことを前提とした文章が書かれてました。
つまるところ、がんになっても諦めることはない、というメッセージを著者は伝えたかったのでしょう。
というのも、がんを「死の病」だと考えているがゆえに、がん宣告をされた後にうつ病になる人、適応障害になる人が存在しているからです。
なかには、がんの宣告に絶望し、自ら命を絶ってしまう患者も少なくないといいます。
だからこそ、医師である著者はまず、「がんを過度に恐れることはない」とわれわれ読者にいいたかったのかもしれません。
本書にしたがって食生活や運動習慣を見直したとしても、がんになるときはなります。
どれだけ安全運転を心がけていても、交通事故が起こってしまうのとおなじです。
がんを発症しているとわかったときにどんな心構えが必要なのかを説いている本書は、自殺による死も減らしてくれるという意味で、読者を死から救ってくれているといえそうです。
- がんにならない習慣
- がんに絶望しない心構え
このように著者は、2段階で私たちをサポートしてくれています。
車の運転でたとえるなら、
- 事故を避ける安全運転のコツ
- もしも交通事故が起こったら
これらについて解説してあるようなものです。
ゆえに本書は参考になります。
まとめ
がんにならない習慣と、がんになった後の対処法について解説してある本です。
たとえば、がん患者のおよそ3割を占めているのが就労世代(15〜65歳)だといいます。
この世代ががんを発症したとき、仕事を続けるべきでしょうか、それとも仕事を辞めてがん治療に専念すべきでしょうか。
仕事は辞めないほうが良い、と著者はアドバイスしていました。
なぜなら、仕事がカラダの活動性を高め、がんの再発率を抑え、生存期間が長くなると期待できるからだそうです。
くわえて、収入源の確保という意味でも、退職はおすすめしないと著者はいいます。
ただ実際には、がんと宣告された就労世代の患者は、多くが仕事を辞めてしまうそうです。
- がんにならない習慣
- がんになったらどうするか
これらを一冊で学べる本書を、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
以上、佐藤典宏著『手術件数1000件超の名医が教える がんにならないシンプルな習慣』の要約と感想でした。
結論。「がんになっても良いよ」という方を除き、読んで損はない。ただしさまざまな予防法が紹介されているため、「シンプル」というタイトルとはズレている。「これだけやっておけばOK」といったお手軽な方法は載っていない。
がんにならない習慣について、当サイトではこんな本も紹介しています。