私たちは日ごろ不自由なく呼吸しているようでいて、実はじゅうぶんな呼吸ができていないといいます。
すなわち、体が必要としている量の酸素を取りこめていない、ということです。
財布にお金が足りないことは誰でも自覚できますが、体に酸素が足りていないことには、なかなか気づけません。
呼吸を変えるきっかけを得られるのが、本書を読むメリットです。
呼吸が変われば体が変わり、体が変われば人生も変わるのではないでしょうか。
この記事では、藤麻美子著『毎朝10回の「深い呼吸」で体が変わる』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『毎朝10回の「深い呼吸」で体が変わる』の要約と感想
まずは本書の要約から。
私たちは1日に2〜3万回の呼吸をしている。
だが、じゅうぶんな呼吸ができている者は少ない。
呼吸は自律神経のバランスや脳波、脳内ホルモンの分泌、心理状態や頭の回転、生活習慣病の予防にまで影響を与えている。
つまり、呼吸は重要なのだ。
呼吸法の魅力は、誰でもその場で、お金をかけずに実践できること。
呼吸の質を高め、あなたの健康を強化する方法を解説する。
以上がおもな内容です。
酸素はほぼ無限といっていいほど地球上に存在しているにもかかわらず、私たちの呼吸が浅ければ、わずかな酸素しか使えません。
まるで「いくらでも使っていいお金」をほとんど使っていないようなものです。
「そんなのもったいない」と思った方に本書はおすすめです。
酸素をグングン吸いこんで、どんどん活用しましょう。
説明が上手でわかりやすい
著者は元高校教師だといいます。
交通事故に遭い、後遺症が残ったことがきっかけでさまざまな健康法を試し、行き着いたのが呼吸法だと述べていました。
元高校教師であるためか、本書の文章はわかりやすく、説明が明快でした。
さすがは「教えるプロ」が書いた文章です。
ただ内容がわかりやすいだけでなく、読者をその気にさせるのも上手だといえます。
本書を読んでいるうちに「よし、呼吸を意識してみよう」ってな気分になること請け合いです。
読者を乗せるのがうまいのも、元高校教師の実力でしょうか。
まるで授業の上手な先生から、「呼吸の大切さ」について教えてもらっているようなイメージです。
高校で習った古文や漢文、生物の知識よりも、本書に載っている呼吸の知識が役に立つのは間違いありません。
「あらたし」と「あたらし」の違い(古文)を知っていても生活習慣病は防げませんが、正しく呼吸ができていれば、予防効果を得られます。
浅い呼吸用の筋肉
私たちはふだん、浅い呼吸をしています。
しかし、浅い呼吸ではじゅうぶんな酸素を吸えず、酸素が不足しがちだといいます。
さらに悪いことには、日常的に浅い呼吸を行っていると、呼吸をするときに使う筋肉が「浅い呼吸用」に変化してしまうのだそうです。
結果として無意識の呼吸はいっそう浅くなり、取りこむ酸素の量も減ってしまう、こんな悪循環に陥りがちです。
そこで著者は、お腹を使った「深い呼吸」を読者に勧めていました。
深い呼吸を行うメリットととして、
- 血流が良くなる
- 体温が上昇する
- 血圧が安定する
- 便秘が改善する
- 集中力が高まる
- リラックス効果が得られる
本書ではこのような効果が挙げられていました。
はっきりいって、良いことづくめ、です。
深い呼吸を実践しない手はありません。
まずは毎朝10回深い呼吸を行うことで、浅い呼吸用の筋肉から、深い呼吸用の筋肉へとシフトしていくわけです。
深い呼吸用の筋肉を鍛えられれば、無意識のうちに行っている呼吸の質も変わるといいます。
1日2〜3万回の呼吸が今よりも深いものになったら、ラッキーだと思いませんか?
意識せずとも健康法を実践できてしまうからです。
しかも24時間365日、です。
まとめ
呼吸についてわかりやすくまとまっている本でした。
「深い呼吸をしよう」
というのが一貫した著者の主張です。
- 深い呼吸をするメリット
- 呼吸を変えるためのメソッド
本書を読めばこれらに関して学べて、得た知識をすぐ実践に活かせます。
呼吸法をはじめて学ぶ方に本書はおすすめです。
以上、藤麻美子著『毎朝10回の「深い呼吸」で体が変わる』の要約と感想でした。
結論。文章が明快でわかりやすい。読者を乗せるのがうまい。呼吸法に関する本は数あれど、元高校教師が書いた本は珍しい。どうせ呼吸法について学ぶなら、教えるプロ、つまり本書から学ぶのがおすすめ。
呼吸法について、当サイトにはこんな記事もあります。